ここがポイント

  • 府内の相談は2020年度406人から2024年度845人に増え、受け皿づくりが進む
  • センターは依存症全般を一か所で支え、府市は2029年度中の開設を予定
  • 場所は既存施設への入居を想定し2027年度に選ぶと報道、運営の形は未定

845人。2024年度に府内3か所の精神保健福祉センターへギャンブル等の相談をした人の数で、2020年度は406人だった。大阪府と市は、その受け皿となる「(仮称)大阪依存症対策センター」を2029年度中に開く。機能や開く時間の考え方は出そろい、残っているのはどこに置くかだ。

相談は406人から845人に増えていた

KEY NUMBER。845人。2020年度の406人から2024年度
図版:2020年度の406人から2024年度

府の第3期計画の概要に、府内3か所の精神保健福祉センターへ寄せられたギャンブル等の相談の実人数が載っている。2020年度は406人、2024年度は845人だった。

この数字は、窓口まで声を届けた人の数なんよね。線が上を向くたびに、その人たちがどの駅から来たのかを考えてしまう。

府はこれまで、相談拠点の大阪府こころの健康総合センターと、依存症治療拠点機関の大阪精神医療センターが連携する体制を中心に支援してきた。

国の基本計画は、2024年9月末の時点で全ての都道府県等に相談拠点が整ったとしている。窓口が「ある」ことと、人が「来る」ことは、別の段階の話だ。

センターの整備は、IRの区域整備計画などに支援拠点としてもともと書き込まれていた。では、新しいセンターはいまの形と何が違うのか。

相談の数、準備の予算、認知度の目標

  • 845人府内3か所の精神保健福祉センターへのギャンブル等の相談(2024年度・実人数)2020年度は406人
  • 5億536万6千円府の2026年度当初予算案のセンター設置準備事業新規事業
  • 30%以上令和10年度末までのセンター認知度の目標第3期計画の目標

新センターは何を一か所に集めるのか

センターは、ギャンブル等に限らず、アルコールや薬物などの依存症に悩む本人と家族を、一か所で支える拠点とされる。

担う機能は、相談・医療・回復のワンストップ支援、普及啓発と情報発信、調査分析、人材養成の四つ。府によると、国内外に同じような施設はないという。

吉村洋文知事は2026年2月18日の会見で、IRの完成前にセンターを開設したいと述べた。府の2026年度当初予算案には、新規の設置準備事業として5億536万6千円が盛り込まれた。

人を育てる準備では、府と市がそれぞれ2,500万円を負担し、年間5,000万円の寄附講座を設けた。

府の担当者は、偏見をなくしながら、予防から回復まで切れ目のない対策をしたいと話す。その切れ目の一つは、家を出てから窓口の扉を開けるまでの間にあると、わたしは思う。

大阪駅近くで、実証事業が先に始まった

2026年9月9日から10月6日まで、府と市はJR大阪駅近くの商業施設「E-ma」に特設会場「こころりんく」を設け、実証事業を行った。大きな駅のそばで先に試したのは、わたしには素直にうれしい。

基本構想は、センターを交通の便がよい場所に物件を借りて置くことを基本とし、平日の夕方からや休日も開けることを想定している。仕事帰りや週末に寄れることを、最初から前提にした書き方だ。

IRの側にも決まりはある。IR整備法は、日本人などが過去7日間に3回、あるいは過去28日間に10回入場していれば、カジノ施設に入れないと定めている。

本人や家族の申出で利用を止める措置も、カジノ事業者に義務づけられた。ただ、どれも入り口で止める仕組みで、困った人が駆け込む先の代わりにはならない。

IR事業者の側には、24時間・365日使える相談体制の構築が計画に書かれている。夜も応じるIR側の相談と、夕方や休日も開ける府市の拠点では、想定する時間帯が違う。

実証事業の2回目は12月に予定されている。国土交通省も10月9日の評価で、センターの設置準備などの取組を確認し、依存が疑われる人の割合を下げる実現性を府・市とIR事業者の双方で高めることが重要だとした。

  1. 2026-02-18府が当初予算案にセンター設置準備事業を盛り込む
  2. 2026-04-01府が開設準備チームを設置
  3. 2026-08-31府の推進会議で委員がIRと切り離した施設を求める
  4. 2026-09-09大阪駅近くで実証事業「こころりんく」(10月6日まで)
  5. 2026-09-18基本構想を府のサイトに掲載(9月18日更新)
  6. 2026-10-09国土交通省が設置準備などの取組を確認
  7. 2026-12実証事業の2回目
  8. 2027-03基本計画を策定
  9. 2027設置場所を選び基本設計に着手(2027年度、建設通信新聞の報道)
  10. 2029センター開設(2029年度中)
(仮称)大阪依存症対策センターをめぐる府市と国の動き。2026年10月27日時点、2026年12月以降は予定
データを表で見る
図1 中身が先に決まり、場所はあとから選ぶ
時期出来事種類
2026-02-18府が当初予算案にセンター設置準備事業を盛り込む出来事
2026-04-01府が開設準備チームを設置出来事
2026-08-31府の推進会議で委員がIRと切り離した施設を求める出来事
2026-09-09大阪駅近くで実証事業「こころりんく」(10月6日まで)出来事
2026-09-18基本構想を府のサイトに掲載(9月18日更新)出来事
2026-10-09国土交通省が設置準備などの取組を確認出来事
2026-12実証事業の2回目出来事
2027-03基本計画を策定出来事
2027設置場所を選び基本設計に着手(2027年度、建設通信新聞の報道)出来事
2029センター開設(2029年度中)出来事

置き場所と運び手は、まだ決まっていない

基本構想は、センターの設置形態や体制をこれから検討するとしている。建設通信新聞によると、既存施設への入居を想定し、設置場所は2027年度に選んで基本設計に入る。

8月31日の府の推進会議では、委員から、IR開業を前提にした施設整備には反対で、IRと切り離した包括的な施設にすべきだという意見が出た。

当事者を支えてきた人たちも注文をつけている。ギャンブル依存症問題を考える会の田中紀子代表は5月24日、大阪市でのシンポジウムで「現場を走り回っている私たちの声を取り入れて」と訴えた。

府の第3期計画は、令和10年度末までにセンターの認知度を30%以上にする目標を掲げる。名前を知ってもらうことと、扉を開けてもらうことの間に、置き場所の問題がある。

2027年3月の基本計画が、置き場所の条件をどこまで書き込むか。次に読むのはそこだ。あなたの街なら、家族のことで相談に行く窓口は、どの駅のそばにあってほしい?

日本の読者にとって

警察庁は、海外で合法に運営されるオンラインカジノでも、日本国内から接続して賭博をすれば犯罪だとしている。府市の基本構想も、違法オンラインカジノの拡大を依存症の新たな課題の一つに挙げた。

読者のみなさんへ

依存症の相談窓口は、どこにあれば足を運びやすいと思う?

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出典

この記事の作り方

この記事は、読者がよく検索している疑問と当サイトのデータをもとに編集部が企画し、出典に挙げた公式の発表と当サイトの記事、その元の報道だけを根拠に書いたものです。かぎかっこで引いた発言は元の報道にあるもので、発言者を添えています。事実は機械と別のAIが一文ずつ確かめ、編集長役のAIの基準に届いたものだけを公開しています。ギャンブルを勧めるものではありません。

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