ここがポイント

  • 総GGRが前年比3.8%減の2026年第3四半期もウィンはリスク限定的
  • 一般客の回復遅れに対しウィンはプレミアムマス層を確立した
  • 市場全体のEBITDAが10.6%減となる見通しで競争が激化

「長期的な構造的リスクはない」。アナリストからそう評価されたのが、ウィン・リゾーツ傘下のウィン・マカオである。マカオ市場では2026年第3四半期の総ゲーミング収益が前年割れを記録し、競合他社が業績見通しを引き下げる事態となった。市場全体の縮小局面において、この評価は何を意味するのか。

市場減収とウィンの立ち位置

KEY NUMBER。3.8%減。総GGR3.8%減のマカオとウィンの立ち位置
図版(背景はAI生成):総GGR3.8%減のマカオとウィンの立ち位置

「プレミアムマス層」。マカオの総ゲーミング収益(GGR)の先行き不透明感が指摘される中、この客層を抑えているかどうかが資産評価の分水嶺となった。

マカオの2026年第3四半期の総GGRは前年比3.8%減の602億1000万パタカ超となった。第2四半期の610億3000万パタカからも縮小した。マカオ全体の市場回復はコロナ禍前の約85%の水準にとどまる。

縮小する市場にあって、トゥルーイスト・セキュリティーズはウィン・マカオとMGMチャイナについてプレミアムマス層を確立していると評価した。富裕層基盤を持つ施設は、長期的な構造的リスクを免れているという判断である。

一般客層の遅れと過当競争

トゥルーイスト・セキュリティーズのアナリストであるバリー・ジョナス氏とジェレミー・ジャコビー氏は「マカオは、特定の施設がベースマス層向けに建設されているといった、製品に関連する問題を抱えている」と指摘した。大衆客向けの施設が十分な顧客を呼び戻せていない実態が背景にある。

マカオの第3四半期におけるマスマーケット部門のGGRは、前年同期比で5.2%減少し約433億1000万パタカとなった。中国によるオフショア資産や信託への取り締まり、中国のマクロ経済環境への懸念が顧客の支出を鈍らせている。

一般客の回復が鈍る結果、各社は富裕層市場へ活路を求め、プレミアムマス市場での競争が激化した。テキサス・キャピタルのアナリストのデビッド・ベイン氏は「プレイヤーへの再投資レベルの高まりは永続的なものではなく、長期的には製品やサービスに基づいた競争へと移行し、メルコ・リゾーツに利益をもたらすと信じている」と説明した。

利益10.6%減が示す現実

市場全体のEBITDAは、前年同期比で10.6%減少する見通しとなった。第3四半期において前年同期比で利益増と予測されるのはギャラクシー・エンターテインメントのみである。

ラスベガス・サンズは第3四半期の純利益が前年同期比27.4%減の3億400万ドルとなり、富裕層の回帰ペースが不透明なため業績予想を下方修正した。

木曜開始の決算発表は何を示すか

マカオのゲーミング市場における第3四半期の決算発表は、現地時間の木曜日に開始される。富裕層ギャンブラーがどの程度の速さで戻るのかは公表されておらず、依然として不明である。

Seaport Research PartnersのシニアアナリストであるVitaly Umansky氏は「市場シェアの獲得、運営費の抑制、そしてプレイヤーへの再投資と手数料戦略の最適化が、一時的な低成長市場における重要な差別化要因となる」と指摘した。構造的リスクを回避したとされるウィンであっても、実際の四半期収益でその優位性が証明されるかが焦点となる。

日本の読者にとって

日本ではMGM大阪の主要株主が2025年度に1,126億円を拠出し、2030年秋頃の開業へ向けて準備を進めている。国土交通省は特定の顧客グループに過度に依存しない計画を求めた。マカオのように特定顧客層の動向で収益が左右されるリスクは、国内事業の計画策定においても前提条件となる。

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マカオの総GGRが前年比3.8%減となる中、事業者はコスト削減と設備投資のどちらを優先すべきでしょうか?

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