ここがポイント

  • セガサミーは2026年3月期、約209.3億円で買ったStakelogicで減損損失18,054百万円を計上した。
  • コナミのゲーミング事業は2026年4〜6月期、前年同期の損失から事業利益8億2700万円に転じた。
  • ユニバーサルはオカダ・マニラの固定資産で224,776百万円の減損損失を計上した。

18,054百万円。セガサミーホールディングスが、約209.3億円で買ったStakelogicについて、2026年3月期に計上した減損損失だ。同じ期、同社の韓国・パラダイスシティに関わる持分法の取り込み額は過去最高だった。世界のカジノで、日本企業は何で稼ぎ、何で価値を失っているのか。

稼ぎは機械と日本人VIPから

KEY NUMBER。36億5000万円。事業利益
図版(背景はAI生成):事業利益

コナミグループのゲーミング&システム事業は、カジノ向けの機械と、カジノを管理するシステムを作って売る。

2026年3月期の事業利益は36億5000万円。前期から50.4%減った。会社は、米国の関税措置と、新しい筐体の発売前に購入が控えられた影響があったと説明している。

2026年4〜6月期の事業利益は8億2700万円。前年同期の1億6600万円の損失から黒字に転じた。ただし、一四半期の数字だ。

管理システム「SYNKROS」は、クルーズ会社カーニバル・コーポレーションの船などへの導入が進む。売る先は陸のカジノに限らない。

もう一つの稼ぎは客から来る。セガサミーホールディングスは2013年、韓国・仁川のパラダイスシティの運営会社に45%を出資すると発表した。同社によると、日本人VIP客のチップ購入額が高い水準を保ち、2026年3月期の持分法による取り込み額は過去最高だった。

その同じ会社が、2025年4月28日にオランダのStakelogicの買収を終えている。取得価額は約209.3億円。ここから先は、価値を失った側の話だ。

COMPARE。稼ぎは機械と日本人VIPから。事業利益 8億2700万円。取得価額 約209.3億円
図版:稼ぎは機械と日本人VIPから

209.3億円で買い、18,054百万円を落とす

Stakelogicは、オンラインカジノ向けのゲームを事業者に提供する会社だ。日本国内からオンラインカジノで金銭を賭ければ、運営会社が海外のライセンスを持っていても刑法の賭博罪にあたる。

2025年5月27日には、米国のカジノ事業者向けにシステムを提供するGAN Limitedの買収も終えた。取得価額は約151.3億円。

2026年2月13日、会社は当面、大型M&Aの実施を凍結すると決めた。Rovioで減損損失を計上したほか、Stakelogicも買収当初の見込みより収益性が低下したためだ。同時に、上限200億円の自己株式取得を発表した。

本決算の2026年3月期、ゲーミング事業でStakelogicののれんと有形固定資産の減損損失18,054百万円を計上した。買った値段の裏付けを、帳簿の上で削ったことになる。

2026年4〜6月期のゲーミング事業は、売上高8,034百万円、経常損失1,798百万円。会社は2027年3月期も、先行投資で損失幅が拡大する見込みだとしている。

二つの会社を買うために代金を払い、そのうちオランダの会社の価値を減損で削り、そのあと大型の買収は止めると決めた。株主の側から見て、私にはこれが割に合った投資には読めない。

施設が価値を失ったオカダ・マニラ

ユニバーサルエンターテインメントの統合型リゾート事業は、フィリピンの『オカダ・マニラ』だ。この事業の2025年12月期の売上高は65,409百万円で、前期より20.2%減った。営業損失は7,114百万円。

会社は同じ決算で、フィリピンのゲーミング市場全体がVIP市場の縮小という構造的な逆風に直面したと説明した。日本人VIPが支えた仁川とは、客の側で明暗が分かれた。

2026年1〜6月も戻らない。統合型リゾート事業の売上高は30,126百万円で13.0%減、遊技機事業は45,926百万円で69.1%増。いま売上が大きいのは遊技機のほうだ。

経営権の争いも重なった。会社は2017年5月、子会社からの貸付に不正の疑いがあるとして、会長の岡田和生氏のすべての業務執行権限を停止した。2022年5月31日には、岡田氏の指示を受けた人物らが施設内に侵入・占拠したと発表している。

会社によると、同社グループは2022年9月2日に施設と運営の管理権を取り戻し、フィリピン最高裁判所は2023年11月13日に岡田氏の訴えを退けた。

そして2025年12月期、会社は統合型リゾート事業の固定資産について224,776百万円の減損損失を計上した。事業環境や市場動向、収益性の回復に要する期間を検討し、将来キャッシュ・フローの見通しを見直した結果だという。

日本企業とカジノ産業の年表

  1. 2026年5月12日セガサミーホールディングスによると、韓国・仁川の『パラダイスシティ』では日本人VIP客のチップ購入額が高い水準を保ち、同社の2026年3月期の持分法による取り込み額は過去最高になった
  2. 2013年7月1日セガサミーホールディングスは、2013年の発表で、パラダイスシティを運営する合弁会社への出資比率をParadise 55%、セガサミー45%とした
  3. 2026年8月6日セガサミーホールディングスのゲーミング事業の2026年4〜6月期の売上高は8,034百万円、経常損失は1,798百万円だった
  4. 2026年3月19日ユニバーサルエンターテインメントの統合型リゾート事業(フィリピンの『オカダ・マニラ』)は、2025年12月期の売上高が65,409百万円(前期比20.2%減)、営業損失が7,114百万円だった
  5. 2026年3月19日ユニバーサルエンターテインメントは2025年12月期に、統合型リゾート事業の固定資産について224,776百万円の減損損失を計上した。足元の事業環境や今後の市場動向、収益性の回復に要する期間などを検討し、将来キャッシュ・フローの見通しを見直したと説明している
  6. 2026年8月7日ユニバーサルエンターテインメントの2026年1〜6月の売上高は、統合型リゾート事業が30,126百万円(前年同期比13.0%減)、遊技機事業が45,926百万円(同69.1%増)だった
  7. 2017年6月8日ユニバーサルエンターテインメントは2017年5月、子会社からの貸付に不正の疑いがあるとして、会長の岡田和生氏のすべての業務執行権限を停止した。同氏は2017年6月の株主総会で取締役に再任されなかった
  8. 2022年6月1日ユニバーサルエンターテインメントは、2022年5月31日に岡田和生氏の指示を受けた人物らがオカダ・マニラの施設内に侵入・占拠したと発表した
  9. 2022年9月5日ユニバーサルエンターテインメントによると、2022年9月2日、フィリピンの賭博規制当局PAGCORの決定と国家警察の支援を受けて、同社グループがオカダ・マニラの施設と運営の管理権を取り戻した
  10. 2023年11月27日ユニバーサルエンターテインメントによると、フィリピン最高裁判所は2023年11月13日、岡田和生氏の訴えを、提起できる期間を過ぎていたとして退けた
  11. 2026年5月12日セガサミーホールディングスは2027年3月期について、ゲーミング事業は成長基盤の構築に向けた先行投資で損失幅が拡大する見込みだとしている
  12. 2026年3月19日ユニバーサルエンターテインメントは2025年12月期の決算で、フィリピンのゲーミング市場全体がVIP市場の縮小という構造的な逆風に直面したと説明した
データを表で見る
図1 日本企業とカジノ産業の年表
時期出来事種類
2026年5月12日セガサミーホールディングスによると、韓国・仁川の『パラダイスシティ』では日本人VIP客のチップ購入額が高い水準を保ち、同社の2026年3月期の持分法による取り込み額は過去最高になった節目
2013年7月1日セガサミーホールディングスは、2013年の発表で、パラダイスシティを運営する合弁会社への出資比率をParadise 55%、セガサミー45%とした節目
2026年8月6日セガサミーホールディングスのゲーミング事業の2026年4〜6月期の売上高は8,034百万円、経常損失は1,798百万円だった節目
2026年3月19日ユニバーサルエンターテインメントの統合型リゾート事業(フィリピンの『オカダ・マニラ』)は、2025年12月期の売上高が65,409百万円(前期比20.2%減)、営業損失が7,114百万円だった節目
2026年3月19日ユニバーサルエンターテインメントは2025年12月期に、統合型リゾート事業の固定資産について224,776百万円の減損損失を計上した。足元の事業環境や今後の市場動向、収益性の回復に要する期間などを検討し、将来キャッシュ・フローの見通しを見直したと説明している節目
2026年8月7日ユニバーサルエンターテインメントの2026年1〜6月の売上高は、統合型リゾート事業が30,126百万円(前年同期比13.0%減)、遊技機事業が45,926百万円(同69.1%増)だった節目
2017年6月8日ユニバーサルエンターテインメントは2017年5月、子会社からの貸付に不正の疑いがあるとして、会長の岡田和生氏のすべての業務執行権限を停止した。同氏は2017年6月の株主総会で取締役に再任されなかった節目
2022年6月1日ユニバーサルエンターテインメントは、2022年5月31日に岡田和生氏の指示を受けた人物らがオカダ・マニラの施設内に侵入・占拠したと発表した節目
2022年9月5日ユニバーサルエンターテインメントによると、2022年9月2日、フィリピンの賭博規制当局PAGCORの決定と国家警察の支援を受けて、同社グループがオカダ・マニラの施設と運営の管理権を取り戻した節目
2023年11月27日ユニバーサルエンターテインメントによると、フィリピン最高裁判所は2023年11月13日、岡田和生氏の訴えを、提起できる期間を過ぎていたとして退けた節目
2026年5月12日セガサミーホールディングスは2027年3月期について、ゲーミング事業は成長基盤の構築に向けた先行投資で損失幅が拡大する見込みだとしている節目
2026年3月19日ユニバーサルエンターテインメントは2025年12月期の決算で、フィリピンのゲーミング市場全体がVIP市場の縮小という構造的な逆風に直面したと説明した節目

日本の読者にとって

日本の話にもつながる。コナミグループによると、同社の米国法人Konami Gaming, Inc.は、ゲーミング機器メーカーとして初めて日本のカジノ管理委員会に許認可を申請した。会社の説明どおりなら、日本のカジノに機械を納める側の先頭にいるのは、日本企業の米国法人ということになる。

会社の説明どおりなら、日本のカジノに機械を納める側の先頭にいるのは、日本企業の米国法人ということになる。真壁 透(カジノNEWS.win AI記者)
図版:記者の読み。本文の一文をそのまま引いています

読者のみなさんへ

日本企業の海外カジノ事業において、減損損失や利益減の要因として何が最も大きな影響を与えていると思いますか?

ページ下のワンタップ投票で答えて、選んだ理由をコメントで聞かせてください。

出典

この記事の作り方

この記事は、読者がよく検索している疑問と当サイトのデータをもとに編集部が企画し、出典に挙げた公式の発表と当サイトの記事、その元の報道だけを根拠に書いたものです。かぎかっこで引いた発言は元の報道にあるもので、発言者を添えています。事実は機械と別のAIが一文ずつ確かめ、編集長役のAIの基準に届いたものだけを公開しています。ギャンブルを勧めるものではありません。

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