2026年10月のマカオのカジノ総収入は約4,218億円。1か月で、大阪IRの計画のカジノ事業の年間売上(約4,200億円)を上回る規模です。
マカオ特別行政区政府のゲーミング監察協調局(DICJ)が公表した2026年10月のカジノ総収入(GGR、ゲーミング収入の総額)は、216.8億パタカ(約4,218億円)だった。前月比20.0%増、前年同月比10.0%減となった。
2026年1月から10月までの累計は2,087.9億パタカで、前年同期比1.6%増。
前年同月を下回ったのは5か月連続。ただし年初からの累計では、まだ前年同期比1.6%増と前年を上回っている。
今月の数字
- 216.8億パタカ2026年10月のGGR前月比20.0%増
- 240.9億パタカ前年同月(2025年10月)当月は前年同月比10.0%減
- 2,087.9億パタカ1〜10月の累計前年同期比1.6%増
- 約4,218億円2026年10月のGGR(円換算の概算)
2026年10月のマカオのカジノ総収入は216.8億パタカ(約4,218億円)となり、前月比で20.0%増加したものの、前年同月比では10.0%減少した。単月で日本の大阪IRが掲げる年間カジノ売上計画を上回る規模を維持するが、前年同月比の前年割れは5か月連続となった。
1か月で大阪の年間計画を超える規模
図版:2026年1月から10月までの累計約4,218億円。2026年10月のマカオのカジノ総収入(GGR)が記録した216.8億パタカを日本円に換算した数字だ。この1か月の金額だけで、大阪府IR推進局が試算する大阪IRのカジノ事業の年間売上(約4,200億円)を上回る。
数字を押し上げたのは前月比20.0%増という急反発である。直近12か月で最低だった2026年9月の180.6億パタカから持ち直した。しかし、前年同月比では10.0%減と落ち込んでいる。前年割れは2026年6月の12.1%減から始まり、7月の8.4%減、8月と9月の各1.2%減を経て、5か月連続となった。
2026年1月から10月までの累計は2,087.9億パタカで、前年同期比1.6%増にとどまる。直近12か月で最高だった2026年1月の226.3億パタカには届かない。前月比の回復と前年比の悪化が同時に起きている。
図1マカオのカジノ総収入(GGR)の月次推移
2026年10月までの12か月の月ごとのGGR(億パタカ)と、灰色の前年同月。最新月は216.8億パタカ。
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図2前年同月比の推移(月別)
各月のGGRの前年同月比(%)。青は前年より多く、橙は少ない。
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一般客の回復遅れと中国景気の影響
客足の総数そのものは高水準にある。2026年8月のマカオの来訪者数は4,478,073人を記録し、同月のホテル稼働率は93.9%に達した。同月のシンガポールのホテル稼働率91.2%と比べても高い。それでもカジノの総収入は伸び悩む。
トゥルーイスト・セキュリティーズのアナリストのバリー・ジョナス、ジェレミー・ジャコビー両氏は「マカオは、特定の施設がベースマス層向けに建設されているといった、製品に関連する問題を抱えている」と指摘した。一般客層向けの施設が十分な顧客を呼び戻せていない。2026年第3四半期のマスマーケット部門のGGRは、前年同期比5.2%減の約433億1000万パタカへ縮小した。
テキサス・キャピタルのアナリストのデビッド・ベイン氏は「中国のマクロ経済状況、デフレ圧力、不動産市場の弱さ、失業率の低下が、マカオのゲーミング需要に影響を与えていると考えている」と分析する。中国本土によるオフショア資産や信託への取り締まり、2026年9月29日にクレジットサイツが指摘した規制当局の審査強化もハイエンド層の消費に作用した。
各国・地域の統計当局が公表した最新の月次の数字(当サイトが自動で取り込んでいるもの)。
政府ファンドへの資本拠出という負担
市場の拡大が一服するなか、運営企業には新たな資本の拠出が求められた。2026年10月23日、マカオのカジノ運営企業6社は政府系投資ファンドへ合計90億パタカを拠出する文書に署名した。ファンドの初期規模は200億パタカで、残りの110億パタカは政府の財政準備金の運用益から充当される。
この拠出金は、各社が負う非ゲーミング分野への投資義務の一部として算入される。マカオの経済財政局長官のNg Wai Han氏は「産業のアップグレードと技術革新には、多額かつ長期的な資金調達が必要である」と述べた。初期期間15年のうち最初の5年間が投資期間に充てられる。
キャッシュフローを得るのは経済的多角化を急ぐ行政側であり、固定資産の負担に加えて拠出金を支払うのは運営企業側である。
検証すべき利益率と再投資の比率
焦点は、売上の伸び悩みが増益幅をどれほど圧迫するかへ移る。Seaport Research PartnersのシニアアナリストのVitaly Umansky氏は「市場シェアの獲得、運営費の抑制、そしてプレイヤーへの再投資と手数料戦略の最適化が、一時的な低成長市場における重要な差別化要因となる」と指摘した。
マカオ全体の2026年第3四半期の総GGRは前年同期比3.8%減の602億1000万パタカ超となり、業界全体のEBITDAは前年同期比で10.6%減少する見通しが示されている。同期間に前年同期比でEBITDAが増加すると予測されている事業者はギャラクシー・エンターテインメントのみである。
マカオのゲーミング市場における第3四半期の決算発表は、現地時間の木曜日に開始される。市場では顧客維持のためのプロモーション費用や再投資レベルの比率が点検される。
日本の読者にとって
大阪IRは2025年4月に夢洲で着工し、初期投資額は約1兆5130億円である。マカオの2026年10月の単月総収入は約4,218億円であり、大阪の年間カジノ売上計画を1か月で上回る。
数字について
GGRは、カジノが受けた賭け金から客への払い戻しを差し引いた収入の総額で、DICJが毎月、前月分を公表している。上の数字はDICJの公表値をそのまま億パタカに直したもの。
円の金額は、1香港ドル=1.03パタカの連動相場と、2026年10月末の欧州中央銀行の参考レート(1香港ドル=20.04円)で換算した概算。
よくある質問
2026年10月のマカオのカジノ売上はいくらですか?
DICJの公表では、2026年10月のカジノ総収入(GGR)は216.8億パタカ(約4,218億円)でした。前年同月比10.0%減です。
マカオのGGRとは何ですか?
カジノが受けた賭け金から客への払い戻しを差し引いた収入の総額です。マカオではゲーミング監察協調局(DICJ)が毎月、前月分を公表しています。
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この記事は業界の動向を伝えるもので、ギャンブルを勧めるものではありません。
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