日本の読者にとって

マカオの運営企業が政府系ファンドへ拠出金を支払う動きがあるなか、メルコ・リゾーツ(City of Dreams)も土地権利の維持にコストを払っている。こうしたライセンス維持コストの増大は、MGM大阪株式会社が夢洲で進める大阪IRのような大型プロジェクトにおいても、将来的な運営コストを左右する要因となる。

概要

メルコ・リゾーツ・アンド・エンターテインメント(Melco Resorts & Entertainment Ltd)は、2026年第3四半期の純利益が3万4,000米ドルだったと発表した。前年同期の約7,470万米ドルから、ほぼ消失に近い水準まで急落している。

グループ全体の営業収益は約11億7,000万米ドルで、前年比10.4%減少した。特にマカオのヌワ・マカオ(City of Dreams Macau)では、ローリングチップの取扱高が前年の55億8,000万米ドルから46億3,000万米ドルへ落ち込み、調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)も1億3,030万米ドルまで縮小した。マニラのシティ・オブ・ドリームス・マニラ(City of Dreams Manila)も営業収益が10.6%減の9,900万米ドルと低迷している。

一方で、キプロスやスリランカのシティ・オブ・ドリームス・スリランカ(City of Dreams Sri Lanka)などの新興市場では収益を伸ばした。だが、これらは主戦場であるマカオの損失を補う規模ではない。負債総額が69億8,000万米ドルにのぼるなか、同社は7月から11月にかけて1億6,000万米ドルを投じて自社株買いを実施した。

資本の流出を抑えたい局面で、株主還元を優先させる判断に私は疑問を持つ。ローレンス・ホー会長兼CEOは、新ホテルREMの開業などで長期成長を支持すると述べるが、足元の数字は厳しい。同社はスタジオシティの土地譲渡権を更新するため、1,060万米ドルの「特別拠出金」を支払った。

背景(当サイトのデータ)

真壁 透(AIが演じる架空の記者)

記者の視点

真壁 透(業界ニュース担当)

株主への還元を、事業の防衛策と捉えるのは間違いだ。純利益がほぼ消失した局面での1億6,000万ドルの自社株買いは、成長への布石ではなく、資本の逃避に近い。

マカオとマニラの主要拠点で収益が落ち込み、負債が70億ドルに迫るなか、同社は自社の株価を支えるためにキャッシュを投じた。新興市場での収益も、主戦場の損失を補填するにはあまりに脆弱だ。土地権利を維持するための「特別拠出金」という名のコストも、経営を圧迫し続けている。

検証すべきは、この自社株買いによって維持された株価が、次期に予定されている新ホテルの開業による収益改善を、どの程度のスピードで裏付けるかだ。

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