カジノを含む統合型リゾート(IR)は全国で3か所までで、大阪に続く2枠の申請を国が来年5月から受け付ける。10月に就任した横浜市の原澤敦美市長は、それに「当然手は挙げない」と会見で言い切った。北海道は見送りの報道を否定したが、候補地はまだ示していない。愛知県は、すでに事業者から提案を募っている。

横浜は「2陣」にも手を挙げない

10月18日の横浜市長選で、弁護士の原澤敦美氏が当選した。得票は552,207票で、7人の候補の中で最も多かった。

原澤市長自身は、IRを「5年前に決着がついている話」だと思っていたという。それでも選挙戦では、市民の何人かから「IRやるつもりあるの」と聞かれたと会見で振り返った。

就任会見の答えは、はっきりしていた。原澤市長は「私の任期中でやることはございません」と述べ、国の次の募集についても「次の2陣の募集がかかったとしても当然手は挙げないです」と続けた。

選挙のあいだに聞かれた問いに、市長は会見の記録で答えたことになるよね。市民があとから読み返せる言葉が、日付つきで残った。

かつての候補地の山下ふ頭について、市長は「山下ふ頭の使い方に関しては、IRに頼らない」と話した。市が誘致の撤回を表明したのは2021年9月だった。いまの再開発は、2027年末の事業化を目指している。

申請の前に、法律が決めた手順がある

IR申請までの6つの手順。北海道は1の候補地の手前、愛知は3の事業者の公募、横浜は手順に入らない
図1 申請の前に、法律が決めた手順がある。出典:IR整備法、北海道「統合型リゾート(IR)に関する基本的な考え方」(2026年10月改訂)、愛知県報道発表(2026年10月7日)、横浜市長定例記者会見(2026年10月20日)、観光庁報道発表(2026年3月10日)

国は2027年5月6日から11月5日まで、2回目の申請を受け付ける。認定は全国で3か所までで、いまは大阪・夢洲の1か所だけだ。

申請できるのは、法律が「都道府県等」と呼ぶ都道府県または指定都市に限られる。ほかの市町村が誘致を望んでも、県が申請しなければ国には届かない。

申請の前にやることも、法律が決めている。実施方針を定め、運営する事業者を公募で選び、公聴会などで住民の意見を計画に映して、最後に議会の議決を経る。

半年の申請期間は、この手順を終えた計画を出す窓口やね。各地の答えも、どの手順まで来ているかで読むと重さが変わる。

北海道は「見送り」を否定、候補地はこれから

北海道新聞は10月24日、北海道が来年の募集への申請を見送る方向になったと報じた。候補地選びや法定の手続きを考えると、期限に間に合わないためだという。

鈴木直道知事は10月28日の会見で、この報道を否定した。「そのような方針を示してはおりません」と述べ、申請は「しかるべき時期に判断してまいります」とした。

道が10月に改めたIRの基本的な考え方には、進む順番が書いてある。候補地を特定して基本構想を作り、申請はその後に判断する。

その候補地を、道はまだ示していない。2019年11月には、候補地の環境への配慮が間に合わないとして、1回目の申請を見送っている。

報道と知事の言葉は、ぶつかって見えて同じところを指している。知事が否定したのは見送りの方針で、出すとも言っていないんだよね。

愛知は事業者の提案を3月に締め切る

愛知県は10月7日、中部国際空港島のIRに、民間事業者から参加表明書が出たと発表した。どこの事業者が何社出したのかは、公表していない。

県の日程では、事業者の提案の締め切りは2027年3月23日だ。国の受け付けが始まる5月より前に置かれている。

ただ県は3月、IRの事業が実現できるかどうかを引き続き見極めるとしていた。事業者選びが進んでいても、県自身は申請の手前に立っている。

ほかの地域の答えは慎重だ。和歌山県の知事は2025年12月の会見で「今回は見送ろうかなという方向性はあります」と述べ、沖縄県の知事は「状況を踏まえてもなかなか難しい」との認識を示した。

北海道は、道民向けの説明会を開くとしている。日付が決まっている次の節目は、愛知の提案の締め切りの2027年3月23日と、国の受け付けが始まる5月6日だ。

図1 残り2枠、各地の記録に残る答え
最新の記録日付
横浜市市長「次の2陣の募集がかかったとしても当然手は挙げないです」2026年10月20日
北海道知事が見送り報道を否定、申請は「しかるべき時期に判断」。候補地はまだ特定していない2026年10月28日
愛知県事業者から参加表明書の提出。提案の期限は2027年3月23日2026年10月7日
和歌山県知事「今回は見送ろうかなという方向性はあります」2025年12月23日
沖縄県知事「状況を踏まえてもなかなか難しい」2026年10月14日

日本の読者にとって

横浜に住む人にとっては、山下ふ頭の行き先がIRなしで決まっていくことになる。ほかの地域でも、申請の前には公聴会と議会の議決があって、住民が意見を言える場は手順の中に組み込まれているよ。

IRの候補地と各地の段階

図2 IRの候補地と各地の段階
自治体段階候補地次の節目
愛知県事業者公募中中部国際空港島(常滑市、約50ha)2026年度冬ごろまで事業者との競争的対話を行い、提案審査書類の提出期限は2027年3月23日。
北海道検討中未特定(2026年の意向調査で苫小牧市と函館市が関心を表明)改訂を決める時期と、申請するかどうかの判断時期は示していない。
東京都検討中(申請の表明なし)未公表未発表
和歌山県表明なし和歌山マリーナシティ(2022年の計画は県議会で否決)未発表
長崎県(大村市)民間で検討中(県は表明なし)大村市・大村湾周辺2026年度中に基本構想をまとめ、2027年11月までに県への提案と国への申請をめざすとしている。
横浜市撤退山下ふ頭なし

よくある質問

大阪の次にIRができる可能性はありますか?

国は2027年5月6日から11月5日まで申請を受け付け、認定は残り2か所までです。愛知県が事業者選びを進めています。

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