証券会社テキサス・キャピタル・セキュリティーズは、アラブ首長国連邦(UAE)で51億米ドル(約8,279億2,000万円)を投じて建設中のカジノリゾート「ウィン・アル・マルジャン・アイランド」(写真はファイル写真)について、2027年内の開業を「依然として見込んでいる」との見解を示した。同施設の株式40%を保有し運営を担うウィン・リゾーツの株価上昇を鈍らせている「地政学的な出来事」があるものの、開業時期に変更はないとの判断である。
マカオの運営会社ウィン・マカオの親会社であるウィン・リゾーツは、以前、2027年春の開業を予定していた。
テキサス・キャピタル・セキュリティーズのアナリストであるデビッド・ベイン氏は、月曜付のメモで次のように指摘した。「地政学的な出来事が、ここ数カ月の株価の勢いを削いできたとみられる。本来であれば、2027年第1四半期に予定されていたUAEの統合型リゾート(IR)カジノの開業が、株価を押し上げる要因となっていたはずである」
「しかし、我々の見方では、こうした出来事がUAEの長期的な財務予測に影響を及ぼすことはない。そのため、2027年の開業という見通しを維持している」
ベイン氏はさらに、次のように言及した。「地政学的な出来事を理由としたプロジェクトの財務予測や評価額の低下に対し、むしろ長期的には、それらの出来事がより大きな収益と評価額をもたらす可能性を秘めていると考えている」
一方で同証券は、ウィン・リゾーツのネバダ州ラスベガス事業に関する第2四半期の業績予想を市場コンセンサス以下に引き下げた。業界調査において「6月は比較的低調であり、前年同期比での比較が厳しいことが十分に評価されていない」ことが示唆されたためである。ウィン・リゾーツは、過去の好業績ゆえに「自らの成功の犠牲者」となったと指摘している。
とはいえベイン氏は、ウィン・ラスベガスの「主要業績評価指標(KPI)の優位性は継続している」と強調し、同施設がラスベガス市場において「市場シェアで他を圧倒している」との見方を示した。
ウィン・リゾーツは5月の第1四半期決算説明会で、UAE施設の開業スケジュールに「わずかな遅れ」が生じる見込みであることを明らかにしていた。
このコメントは、米国とイランの対立に関するアナリストからの質問に応じたものだ。ウィン・アル・マルジャン・アイランドが位置する首長国ラス・アル・ハイマは、湾の南岸にあり、北側に位置するイランと対峙している。
MGMリゾーツに関する見解
テキサス・キャピタル・セキュリティーズの月曜付メモにおいて、ベイン氏はMGMチャイナ・ホールディングスを通じてマカオにも権益を持つ米国のカジノ運営会社、MGMリゾーツ・インターナショナルに関連する合併・買収(M&A)の話題についても解説した。
MGMリゾーツは、現地パートナーと共に日本初となるカジノを含む統合型リゾート(IR)「MGM大阪」を開発しており、2030年の開業を予定している。
同証券は、米国の富豪バリー・ディラー氏率いるピープル・インクが6月に提示した、MGMリゾーツを1株当たり48.30米ドル(約7,800円)の現金で買収する提案について、次のように述べた。「MGMの株価はピープル・インクの提示額を約3%下回って取引されている。これは、投資家がより高い価格で取引が成立すると考えていることの表れであるとみている」
同じく米国のカジノ運営会社であるシーザーズ・エンターテインメントへの買収提案に触れ、ベイン氏はこう記した。「シーザーズ・エンターテインメントの暗黙の買収評価額(我々は保守的と見ている)を適用すれば、MGMの株価は1株当たり54米ドル(約8,800円)相当となる」
さらに同氏は次のように付け加えた。「加えて、シーザーズ・エンターテインメントとの比較には含まれていないMGM大阪は、MGMが保有するEBITDAM(利払い前・税引き前・減価償却前・管理費控除前利益)として約8億米ドル(約1,298億7,000万円)を生み出す可能性がある」
「2026年第2四半期のコンセンサス予想は合理的であり、MGMは2024年第3四半期以来初めて、ラスベガスでEBITDAの成長を示すだろう」と同証券は結んだ。
5月、シーザーズ・エンターテインメントは、レジャー複合企業フェルティッタ・エンターテインメントによる買収で最終合意に達したと発表した。取引は全額現金で行われ、シーザーズの未払い債務約119億米ドル(約1.9兆円)の引き受けを含め、評価額は約176億米ドル(約2.9兆円)に上る。
フェルティッタ・エンターテインメントは、ウィン・リゾーツの個人筆頭株主でもあるティルマン・フェルティッタ氏が支配している。
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