Googleからの一通の奇妙なメールが、Sportradarをめぐる対立に新たな疑惑を投げかけた
Googleから届いた奇妙な一通のメールが、Sportradarをめぐる複雑さを増す対立に新たな疑惑を投げかけている。このスポーツデータ企業は今年4月、違法賭博からの利益を得ているとの疑惑を空売り筋から指摘され、株価が急落した経緯がある。
新たな主張の発信元は、アクティビスト型空売りを専門に扱う出版・データ提供企業のActiv8Insightsである。
Activ8Insightsは調査報道「Betting on a Takedown」の中で、無名のウェブ・SEO業者が大量の著作権侵害申立て(DMCA通知)を提出し、世界的なブックメーカーである1xBetに関する報道をオンライン上で見つけにくくする一方、同社とSportradarとの関係も覆い隠そうとしていた証拠を発見したと主張している。
しかし両社はいずれもiGBに対しこの申立てへの関与を否定しており、一部のオンラインメディアに送りつけられた一連の削除通知の背後に誰がいるのかという疑問は残ったままだ。
Activ8Insightsは、Googleの通知システムとLumen Database(削除請求を記録するアーカイブ)を通じて申立てを追跡し、より広範なパターンを発見したとしている。
「私たちは偶然この件に巻き込まれた」とActiv8Insightsの広報担当者はiGBに語った。
「8月5日、Googleから『あなたは著作権を侵害しているようなので、検索インデックスからそのリンクを削除します』といった趣旨のメールを受け取った」
1xBetはこれまで複数の法域で、違法または規制の緩い市場で事業を行っているとの批判に直面してきた。
しかし同社はその後、より「構造化された規制対応への関与を重視する」姿勢を証明すべく方向転換を進めてきたと、1xBetの戦略アドバイザーを務めるサイモン・ウェストベリー氏は4月、iGBに語っている。
この新方針の一環として、同社は世界各地の規制市場でのローカルライセンス取得ポートフォリオの拡大にも力を入れてきた。例えば2月には、ブラジルの規制市場での事業ライセンスを取得したと発表している。
両社とも関与を否定
ウェストベリー氏は、1xBetが削除申立ての運動に何らかの形で関与しているとの示唆を否定している。
同氏はiGBに次のように語った。「Activ8Insightsは自らが立証できる範囲の限界を明確にしており、1xBetが記述された活動に責任を負うとは主張していない。1xBetは、当該通知への関与も認識もなかったことを確認できる。これ以上のコメントはない」
Sportradarも同様に関与を否定している。同社の広報担当者はiGBに対し、「当該通知を提出または委託したことはなく、こうした報道記事を検索結果から削除するよう求めたこともない」と述べた。
「Sportradarは、Alex Grammという名前で著作権削除通知を提出している人物との関係も、その認識も一切ない」と付け加えた。
iGBに宛てたメール声明の中で、Sportradarの広報担当者はさらに次のように述べた。「Sportradarはコンプライアンス上の義務と自社の評判を真剣に受け止めており、その両方を守るためにあらゆる法的手段を追求していく。空売り筋の報告書を受け、Sportradarの監査委員会は第三者による独立レビューを委託し、当社製品が適用法令を順守する顧客によって利用されるよう厳格なコンプライアンス体制が整っていることが確認された。
その結論は、これらの疑惑は根拠がなく、意図的に誤解を招く内容であるというものだった。当社顧客のライセンス取得の可否は、各顧客が事業を行う法域の規制当局が判断するものであり、Sportradarが決定するものではない」
申立ての出所をたどる
Active8が特定した最も古い該当通知は2013年11月1日にさかのぼる。ただしその申立ては、Alex Grammと名乗る人物のものと見られるブログに掲載されたサッカー分析記事に関するものだった。Grammという人物は1xBetとの関係が確認できていない。1xBetに関連するパターンが現れ始めるのは2025年10月以降である。
iGBの取材に対し、Active8Insightsの広報担当者は自社の調査で特に際立った発見だと述べる点を指摘した。すなわち、2025年10月の申立てで送信者が「Alex Gramm on behalf of 1xBet(1xBetを代理するAlex Gramm)」と記載されていたというものだ。
しかし1xBetは、Alex Grammとの関係を一貫して否定している。ここで留意すべきは、これはいわゆるAlex Grammが誰を代表すると自称していたかについての証拠であって、1xBetがその申立てを承認していたことの証明ではないという点だ。
削除記録が明らかにするのは、何が提出され、どの素材が標的とされたかという事実にすぎない。それ自体では、誰がこのキャンペーンを委託したのかまでは特定できない。
Activ8Insightsも記事の中で次のように述べている。「1xBetあるいはSportradarがこの通知を提出、委託、あるいは認識していたという証拠はなく、私たちはそう主張してもいない。私たちが文書で示せるのは、これらの申立てが何を行ったかという事実だけだ」
なお、Googleへの著作権侵害の申立ては比較的悪用されやすく、多くのメディアが無効な請求への異議申し立てにたびたび対応を迫られているのが実情である。
広がる削除の痕跡
Activ8Insightsの再構成によれば、Alex Grammという名前は少なくとも12件の削除通知に登場し、約68のドメインにまたがる84件のURLが対象とされている。
Active8によれば、そのうち10件の通知は、対象事業者のブランディングやマーケティング素材、あるいは同社に関する報道に関わるもので、1xBetの利益にかなう内容だったという。
対象はActive8にとどまらない。4月27日付の通知では、ギャンブル業界メディアのGaming Intelligence、ブラジルメディアのEstadão、The Hindu、Play the Game、BettingBladetをはじめとする各種ギャンブル・スポーツ系メディアなど、14のドメインにまたがる18件のURLの削除が求められた。
iGBも、両編集ブランドを通じて、1xBetに関する記事の削除を求める複数の要請を受け取っている。
興味深いことに、Active8によれば対象となった素材は、Callisto ResearchとMuddy Watersが4月22日に公表したSportradarに関する空売り報告書の報道に関するものだったという。
これらの報告書は、Sportradarと各種オペレーターとの関係についてより広範な疑問を投げかけている。
Sportradarをめぐる疑問
DMCA通知そのものは、当然ながら不穏な行為とは限らない。著作権法は、権利者が侵害素材を削除できるようにするためにこそ存在する。Activ8Insightsの調査が示す通り、ここで異例なのは、この仕組みがジャーナリズムに対して用いられたとされる点、さらにMuddy Waters Researchを代理すると称して提出された通知が1件あった点である。Active8によれば、Muddy Waters自身はこの申立てを提出していないと主張しているという。
この削除申立てをめぐる話は、Sportradarにまつわるはるかに大きな論争の渦中に位置している。
Callisto ResearchとMuddy Watersはそれぞれ別個の報告書で、Sportradarがブラック・グレー市場のギャンブル事業者と広範な関係を持っていると非難した。
Callistoは、Sportradarの収益のおよそ3分の1が違法プラットフォームに関連している可能性があると推計し、Muddy Watersも同様の主張を行った。この報告を受け、Sportradarの株価はその日、およそ5分の1急落した。
Sportradarはこれらの疑惑を断固として否定している。4月28日付の届出において、同社は契約上顧客に必要なライセンスの取得を義務付けており、これはオフショアライセンスを保有する顧客であっても、当該ライセンスが関連法域で認められ、事業者が現地法を順守している限り適用されると述べた。
Sportradarは、自社のコンプライアンス手続きにはライセンスの確認、所有関係の確認、制裁対象スクリーニング、継続的な監査が含まれると説明している。
したがって両者の対立は、単に事業者がライセンスと呼ばれる書類を保有しているかどうかにとどまらない。そのライセンスが、実際に賭博が行われる市場において法的な意味を持つかどうかが争点となっている。
空売りリポートから法廷へ
この複雑な論争は株式市場の枠を超え、訴訟にまで発展している。
5月18日、ある投資家がニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に「Smale vs Sportradar Group AG et al」を提訴し、2024年11月7日から2026年4月21日までを対象期間として証券法違反があったと主張した。
法律事務所Robbins Gellerはその後、Sportradarと同社の上級幹部が証券取引法に違反したと主張し、集団訴訟への参加を投資家に呼びかけた。
これらはあくまで申し立てであり、裁判所による認定ではない。
同じことは、CallistoとMuddy Watersの主張についても言えるし、本稿で取り上げたActiv8Insightsによる削除の痕跡の解釈についても同様である。
Activ8Insightsの調査は、Sportradarが誰かに批判の削除を指示した証拠、あるいは1xBetがAlex Gramm名義で提出された申立てを承認していた証拠を示すものではない。
この調査が提示しているのは、1xBetとSportradarに関する報道をオンライン上で見えにくくしようとする試みがあったことをうかがわせる、一連の記録の痕跡である。
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