フィリピンのリゾートアイランドであるボラカイ島に、ついにカジノが誕生した。このブティック型ゲーミングホテルの開業は、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領が在任中、同島の美しい景観を守るためカジノは一切許可しないと誓約した件から数年を経て実現したものである。

カバン・ホテルとカジノは今週水曜日(9月16日)にソフトオープンを予定しており、2026年10月11日にグランドオープンを迎える構えだ。同島北西部のボラカイ・ハイウェイに位置するカバンからは、プンタ・ブンガ・ビーチや、5つ星リゾート&スパであるモーベンピックおよびクリムゾンを一望できる。

ホスピタリティ、エンターテインメント、リテール開発を手掛けるフィリピンのゴールデンTWリアルティとデベロップメント・コーポレーションが、カバン・プロジェクトを主導している。

ゴールデンTWは、2021年にフィリピン国籍を取得した中国出身のジビン・リアンが経営権を握った。リアンの資産は金融サービス業界や、フィリピンの地方銀行であるトップ・バンクでの要職を通じて築かれた。

ボラカイのカジノ

カバン・ホテルとカジノは、150台のスロットマシン、10台のライブディーラー・テーブルゲーム、およびVIPゲーミングサロンを備えるブティックカジノを特徴としている。数千台のスロットや数百のテーブルゲームがフロアに並ぶマニラの巨大な統合型リゾート(IR)カジノと比べると、同施設ははるかに小規模である。

カバンでのゲーム体験を補完するものとして、88室の客室を持つホテル、6つのレストランとバー、ルーフトップバー、屋内プールが用意された。さらに、小規模なコンベンションや集会向けのスペースも提供される方針だ。

フィリピン遊技娯楽公社(PAGCOR)のライセンスを取得したカバン・カジノの入場は、21歳以上のゲストに制限されている。ゲーミングフロアには、最新のスロットや電子ゲーミングマシンが設置される。

縮小されたカジノ構想

2017年、ボラカイ島は世界最大級のゲーミング事業者であるギャラクシー・エンターテインメントから、IR開発のターゲットとして狙いを定められていた。

中国マカオの6大カジノ事業者のひとつであるギャラクシーは、フィリピン人や韓国、中国からの海外旅行客に人気の同島に5億5000万ドル(約850億1,000万円)を投資し、ラスベガスのような観光地を開発する提案を行っている。

在任中に重大な人権侵害で非難された物議を醸すフィリピン大統領ドゥテルテは、最終的にギャラクシーの入札を潰した。神と対話した結果、フィリピン国民はボラカイ島にカジノを求めていないと神から告げられたと主張し、ドゥテルテはこのプロジェクトを閉鎖に追い込んでいる。

ドゥテルテはその後、6カ月にわたるクリーンアップのためにボラカイ島を閉鎖した。大統領は同島を「汚水溜め」であり、「糞便の臭いがする」と酷評している。

ゲンティンは最終的にボラカイ島から撤退した。

ドゥテルテ政権による大改革は、ボラカイ島の悪名高い劣悪な衛生インフラを改善させた。当時、島の手つかずの白い砂浜と透明なブルーの海は、ゴミや人間の糞便によって汚染されていた。

ドゥテルテの後継者であるボンボン・マルコスは、ドゥテルテが容認し続けた海外オンラインギャンブルに対しては強硬姿勢をとっているものの、国内カジノの拡大は容認している。カバン・ホテルとカジノは、今後数年のうちにボラカイ島で開業が見込まれる複数の小規模カジノの先駆けとなる見通しだ。