横浜市の山中竹春市長がパワーハラスメント問題を受けて辞職したことで、日本のカジノ情勢が塗り替えられる可能性がある。同氏の退任は、横浜市が統合型リゾート(IR)誘致を再検討する道を開くものとみられる。

IR反対を掲げ当選した山中氏

横浜市立大学の元教授である山中氏は、2021年の市長選でIR反対を公約に掲げて初当選を果たし、事実上、同市のカジノ誘致計画を白紙撤回させた。2025年8月には再選を果たしたものの、その任期は長くは続かなかった。

再選から間もなく、市の人事担当幹部が山中氏から強圧的な言動を受けたとして告発したことを受け、第三者委員会による調査が開始された。7月に公表された調査結果では、市長による繰り返しの職場ハラスメントが認定されている。

調査を担当した法律事務所は、山中氏が部下に対して日常的に威圧的な態度を取り、「バカ」「人間のクズ」といった暴言を吐いていた証拠を掴んだ。山中氏は調査結果を認め、記者団に対し「不適切な言葉遣い」について深く反省し、謝罪する意向を示した。毎日新聞の報道によれば、市議会が本会議で辞職勧告決議を全会一致で可決したことを受け、同氏は今週付で辞職した。

日本は長年、ギャンブル全般に対して複雑な姿勢を維持しており、山中氏の件はその一端に過ぎない。IRは長らく、日本が合法的にギャンブル市場を拡大する手段の一つとみなされてきた。実際、観光庁は2027年5月時点で、地方自治体からのIR誘致申請を再び受け入れる準備がある旨を伝えている。

横浜でのIR誘致議論が再燃する可能性

山中氏の退任により、横浜市のIR構想に関する議論が再開されるとの見方が専門家の間で浮上している。市は2026年10月18日に市長選挙を控えており、弁護士の原澤あつみ氏が有力候補の一人に挙げられる。同氏は、高市早苗首相率いる与党・自由民主党からの支援を受ける公算が大きい。

原澤氏はカジノ開発に対する自身の立場を公言していないが、自民党は2018年に安倍晋三元首相の下でIR整備法を成立させた経緯がある。一方の高市首相は、国際観光の促進策として、第2弾のIRライセンス交付を支持する姿勢を示している。

かつて横浜市は、全国で3枠あるIRライセンスの獲得に向け、最も有力な候補地と目されていた。ラスベガス・サンズ・コーポレーションを含む一部の国際的な運営事業者は日本での計画から撤退したものの、山中氏の就任前には、ゲンティン・シンガポールやメルコ・リゾーツ&エンターテインメントなどが横浜での事業機会を積極的に模索していた。

大阪もまた、日本の将来的なカジノ拠点として注目されている。MGMリゾーツ・インターナショナルの幹部は、同市で建設が進むカジノ施設について、ラスベガスのマリーナベイ・サンズに匹敵する可能性があるとの見解を示している。