Wynn Resorts(NASDAQ: WYNN)の株価は年初来で18%下落している。S&P 500が2桁台の上昇を維持する中、投資家は同社のUAE(アラブ首長国連邦)におけるプロジェクトとマカオ事業の低迷を懸念している状況だ。

Stifelのアナリストであるスティーブン・ウィーチンスキー氏は、この状況を「どのようなシナリオにおいても不可解である」と評した。同氏によれば、Wynn株に見られる現在の異常値は、市場参加者がウィン・マカオの事業とUAEでの取り組みに対して「ほぼゼロの価値」しか見出していないことを示唆している。

同氏はWynn株のレーティングを「買い」とし、目標株価を140ドル(約2万2,700円)に設定した。これは現水準から42.1%の上昇余地があることを意味する。

Wynn株を苦しめる要因

今年、Wynn株が低迷している理由は明白である。同社の収益およびEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)の大部分を占めるマカオ市場において、GGR(総ゲーミング収益)が伸び悩み、販促活動が激化しているためだ。

マカオのGGR圧縮に拍車をかけているのが、終盤を迎えたワールドカップによるカジノの賭け意欲への圧力と、最近の来訪者の多くがゲーミングに興じていないという事実である。言い換えれば、Wynnを含むマカオのコンセッション保有者は、堅調な来訪者数がGGRの成長に結びつかないという課題に直面している。

51億ドル(約8,265億8,000万円)規模のカジノリゾートであるWynn Al Marjan Islandを巡る状況も理解に難くない。当該IR(統合型リゾート)は未開業であり、2027年の開業を予定した。Wall Streetの期待通りWynnの長期的な成長ドライバーとなる可能性を秘める一方、イラン情勢を背景とした戦争リスクが株価の脆弱性を露呈させている。

同アナリストは、UAEプロジェクト単体でWynnの株価に19ドル(約3,100円)から25ドル(約4,100円)の価値をもたらすと試算した。

Wynn株が過小評価されている理由

ウィーチンスキー氏は、Wynn株が現在の98ドル(約1万5,900円)前後という取引価格において割安である根拠として、SOTP(事業価値評価)分析を提示した。

同アナリストの試算では、ラスベガスの保有資産が株価に対して45ドル(約7,300円)の価値を持ち、Encore Boston Harborが7ドル(約1,100円)、ラスベガスの未開発用地が1株あたり3ドル(約490円)の寄与をもたらす。UAEの貢献分を1株あたり20ドル(約3,200円)とし、これらを合計すると75ドル(約1万2,200円)となる。さらにウィン・マカオのロイヤリティ推定額11ドル(約1,800円)を加えると、86ドル(約1万3,900円)に達する見通しだ。

「マカオの環境をどのような前提で織り込むにせよ、マカオの資産価値が1株あたり約10ドル(約1,600円)に過ぎないという主張は到底受け入れられない」と、同アナリストは結論づけた。「我々には全く理屈が通らない。仮に我々のUAEに関する前提が強気すぎると考えたとしても、それはマカオ資産を過小評価していることに他ならない。いずれの視点に立っても、市場がマカオかUAEの資産を過小評価しているのは明らかである」