予測市場をめぐる喧騒や、今シーズンのNFLの賭け金の一部が予測市場に奪われるとの予想が飛び交う中、従来型の既存業界が今年、プロフットボールの賭けの約80%を制握する見通しだ。
エイラーズ&クレイチック・ゲーミング(EKG)の試算によると、今シーズンのNFLを対象とした合法的賭け金総額は405億ドル(約6.3兆円)に達する。そのうち317億ドル(約4.9兆円)が従来型スポーツベッティングを経由し、予測市場の相当額である84億ドル(約1.3兆円)と比較して79%対21%の割合となっている。なお、相当額とはスポーツベッティングと予測市場を公平に比較するために用いられる指標であり、後者の取引量はそのままでは前者の賭け金総額と単純比較できないためである。
予測に基づく成長
その8%の伸びが実現すれば、印象的な実績となる。2025年フットボールシーズンの終了以降、ライブでの合法的なスポーツベッティングを解禁したのはミズーリ州とカナダのアルバータ州のみである。今年はアーカンソー州でDraftKingsとFanDuelが営業を開始した程度にすぎないからだ。
予測市場は「有意義」だが依然として小規模
予測市場は、プロのベッターや大口顧客を引き付ける上で高い実績を示している。こうした層はスポーツベッティングでは制限を受けたり、利用を完全に禁止されたりすることが少なくない。しかし、各種調査によれば、スポーツベッティングとYes/No形式の取引所のどちらかを選択する際、多くの一般ベッターは前者を選好した。それが予測市場が「2番手」にとどまっている要因の一つであるとみられる。
全か無かの取引所は、スポーツベッティングが禁止されているカリフォルニア州やテキサス州などの州において重要なニッチ市場を切り開いているとの見方が強い一方で、スポーツベッティングに対する予測市場からの脅威は和らぎつつあるとの見解も広がり始めている。
スポーツベッティングが誇る資金力の優位性
スポーツベッティング事業者の大きな強みの一つは、より手厚い獲得・維持ボーナスで顧客を惹きつけられる点にある。EKGが指摘するように、予測市場の顧客同士が取引を行う仕組み上、予測市場側には「ボーナスを気前よく提供する余地が少ない」。
スポーツベッティング各社がベッター獲得のために巨額の資金を投じている現在、この違いは極めて大きい。例えば、bet365は365ドル(約5万6,900円)の新規加入特典を用意しており、競合のFanaticsやFanDuelも最大350ドル(約5万4,500円)のプロモーションを展開している。そうした魅力的な特典の前では、予測市場で見られる25ドル(約3,900円)から50ドル(約7,800円)のボーナスは見劣りしてしまう。
「そうは言っても、予測市場側がアプリストアやクリック課金(PPC)などのデジタルマーケティングに多額の資金を投じているとの情報が業界関係者から寄せられており、シーズンの終わりには今回の予測が控えめな数字になる可能性もある」とEKGは締めくくっている。
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