13億ポンド(約2,708億3,000万円)の不正流用疑惑が持たれている英国の「シャドーバンク」創業者が、ロンドンの高級カジノでルーレット1スピンあたり最大6万ポンド(約1,250万円)を賭ける常連のハイローラーであったことが報じられた。
パレシュ・ラジャ氏が経営していた住宅ローン貸付会社マーケット・ファイナンシャル・ソリューションズ(MFS)は、大規模な財務不正の疑いの中で2月に経営破綻した。
ラジャ氏のギャンブル事情に詳しい情報筋がテレグラフ紙に語ったところによれば、同氏はロンドン屈指の富裕層エリアであるメイフェア地区の高級カジノ、パーム・ビーチ・カジノおよびコロニー・クラブの常連であった。
テレグラフ紙の報道によると、ラジャ氏はカジノでの遊興資金として、自身の銀行口座から1日あたり最大60万ポンド(約1億2,500万円)を引き出すことを許可されていたという。
「彼はひたすらプレイし、酒を飲み続けた。パーム・ビーチで資金を使い果たさなければ、車に乗り込み、すぐ近くのコロニー・クラブへ向かっていた」と情報筋は明かした。
なお、MFSから不正流用されたとされる資金がラジャ氏のギャンブルの原資に充てられていたという主張は、同紙によってなされていない。
4億800万ポンド(約850億円)の支払い疑惑
同社の債権者は13億ポンド(約2,708億3,000万円)を超える不足分を主張しており、管財人はラジャ氏がMFSおよび関連会社から資金を抜き出すスキームを画策したと非難している。
テレグラフ紙によれば、債権者側が提起した別の訴訟では、ラジャ氏とその妻がMFSの管理下にある資金から4億800万ポンド(約850億円)以上を、英国、モナコ、シンガポール、アラブ首長国連邦の個人口座へ受け取っていた疑いが浮上した。
また、ラジャ氏は高級車のコレクションを収集していたとも指摘されている。同紙の報道では、フェラーリ6台、アストンマーティン3台、ロールスロイス3台、メルセデス2台が含まれていたとみられる。
ラジャ氏夫妻は不正行為を否定しており、詐欺や不誠実な取引は一切なかったとの立場を維持している。
栄枯盛衰
MFSは、銀行や他の金融機関から資金を借り入れ、顧客への不動産融資に充てる「シャドーバンク」と呼ばれるノンバンクの貸金業者であった。
同社は破綻前に急成長を遂げ、2024年末までに融資残高は約24億ポンド(約5,000億円)に達していた。債権者には世界最大級の金融機関やプライベート・キャピタル・グループが名を連ねている。
3月、ロンドンとドバイの裁判所は、ラジャ氏の資産に対し最大13億ポンド(約2,708億3,000万円)の凍結命令を下した。
この命令により、ラジャ氏は1万ポンド(約208万円)を超える資産の開示を義務付けられ、MFS管財人の同意なしに週5000ポンド(約104万円)以上の支出を行うことが禁じられた。
その後、金融行動監視機構(FCA)がMFSに対する強制捜査を開始した。
MFS以前からのカジノ債務
ラジャ氏のギャンブルへの執着は、富裕な金融家として台頭する以前から顕著であった。タイムズ紙は先月、同氏が2005年3月に約35万ポンド(約7,292万円)の負債を抱えて破産宣告を受けていたと報じており、その一部はカジノに対する債務であった。
1年後に破産手続きは終了したものの、2009年3月まで破産による制限が継続している。MFSは2006年11月、後にラジャ氏の妻となるプラティバ・デワン氏によって設立されている。
同社の創業者を自称するラジャ氏であるが、正式に取締役に就任したのは2017年になってからである。
ラジャ氏は、自身に向けられた疑惑を「個人的な中傷キャンペーン」であると主張している。
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