議員2名、William Hill在籍時の経緯を問題視

ギャンブル制度改革を求める運動に深く関わってきた英国の国会議員らが、Allwyn UKの新たな暫定最高経営責任者(CEO)に就任したPhil Walker(フィル・ウォーカー)氏の起用について懸念を抱いていると報じられている。

これは、Iain Duncan Smith(イアン・ダンカン・スミス)氏とDawn Butler(ドーン・バトラー)氏の両議員がギャンブル業界に対して抱く不満の最新の一件であり、両氏ともウォーカー氏のWilliam Hill在籍時代を問題視している。

英紙The Guardianが確認した、ギャンブル委員会宛ての書簡の中で、両議員はAllwyn UKの今回の起用について「深く懸念している」と述べている。

ウォーカー氏は4年以上にわたりWilliam Hillで上級役員を務め、2021年に同社を買収した888 Holdings(現evoke)でも、2023年から2024年にかけて最高商業責任者(CCO)を務めた。

議員らが問題視するAllwyn UK CEOの経歴

ウォーカー氏は、2023年3月に同社が社会的責任およびマネーロンダリング対策上の不備を理由に英ギャンブル委員会へ1,920万ポンド(約41億6,500万円)の和解金を支払うよう命じられた際、同グループの英国・アイルランド担当マネージングディレクターを務めていた。

この金額は現在も、ギャンブル委員会の歴史において企業が支払った制裁金として過去最高額であり、社会的責任およびマネーロンダリング対策上の不備が原因だった。

調査では数多くの本人確認(KYC)上の不備が見つかり、当時委員会のCEOを務めていたAndrew Rhodes(アンドリュー・ローズ)氏は、規制当局が「免許停止を真剣に検討した」と述べている。

ウォーカー氏は自身のLinkedInによれば、現在もCity Gamingの非常勤取締役を務めており、その職には来月初めまで在任する。City Gamingは、成人向けゲーミングセンター(AGC)運営会社Game Nationを所有する企業である。

これはダンカン・スミス、バトラー両氏にとってもう一つの問題となる。ウォーカー氏の立場は、繁華街のベッティングショップの数を減らすため「Aim to Permit」ルールの撤廃を目指す現首相のAndy Burnham(アンディ・バーナム)氏の方針と相反するからだ。

上述の2023年の和解を踏まえれば、議員らが今回の起用を問題視する理由は理解できる面もある。

しかし、スミス、バトラー両氏がベッティング規制と業界慣行の現状に対して強い不満を公言してきたことを踏まえると、ベッティング業界出身のCEO起用であれば、宝くじ運営会社のどのような人事であっても両議員が批判した可能性は十分にある。

公平に見れば、宝くじもギャンブルの一形態である以上、この業界に直接携わった経験を持つ人物、それも英国最大かつ最も歴史あるリテール・ベッティングブランドの一つでの経験を持つ人物をトップに据えることには一定の合理性がある。

これは慎重に扱うべきテーマであり、とりわけ全国宝くじを運営する会社のトップ人事となればなおさらだが、だからといってAllwyn UKが業界でのリーダー経験に乏しい人物を選ぶとは考えにくい。

また、英国の大手ギャンブル事業者の多くが、これまでに規制当局から制裁を受けてきた。William Hillへの制裁は、最大手のライバルの一角であるLadbrokes Coralを所有するEntainが同様の不備で1,720万ポンド(約37億3,100万円)の制裁金を科されてからわずか1年後の出来事だった。

SBC Newsは本件についてAllwynにコメントを求めている。