シカゴ郊外の市長が、インディアナ州の連邦賭博事件で起訴された地元レストラン経営者に関連する2,000ドル(約31万円)の選挙献金を返還する意向を表明した。

献金の事実を把握していなかった市長

ゲイリー・グラッソ市長は、地元メディア「パッチ」からの問い合わせを受け、フィリッポ・“ジジ”・ロヴィート氏からの献金を確認している。同メディアは、ロヴィート氏が所有するバーリッジの飲食店「カプリ・リストランテ」およびナイトクラブ「アー・ウィー・ライブ」からの献金について質問していた。

市長によれば、メディアから連絡を受けるまで、当該献金の事実は把握していなかったという。

グラッソ氏はパッチへの電子メールで「インディアナ州での係争中である案件を鑑み、会計責任者に献金の返還を指示した」と回答した。なお、同氏の選挙陣営は9月14日にイリノイ州選挙管理委員会へ当該献金を報告していた。

ロヴィート氏は無罪を主張

ロヴィート氏は、インディアナ州北西部における違法賭博運営に関与した疑いで、4月に連邦検察から起訴された22名のうちの1人である。

検察側は同氏に対し、違法賭博ビジネスの運営および恐喝的な手段による賭博債権の回収を目的とした共謀罪を適用している。起訴状では、当該組織がスポーツベッティングおよび賭博負債の回収に関与していたと指摘されている。

ロヴィート氏は無罪を主張しており、法廷で有罪が証明されるまでは無罪と推定される。弁護側は政府の主張を否定し、起訴状には被告が金銭を回収した事実や脅迫を行った事実、あるいは他の被告に指示を出した事実は記載されていないと反論した。

過去にも5,000ドル(約79万円)の献金

今回の献金が、ロヴィート氏からグラッソ氏への献金として注目を集めるのは初めてではない。

2017年、グラッソ氏がイリノイ州司法長官選に出馬した際、ロヴィート氏は5,000ドル(約79万円)を献金している。パッチの報道によれば、テレビ局からの指摘を受け、グラッソ氏はおよそ1か月後にこの資金を返還している。

当時の返還理由について、グラッソ氏からの説明はなされていない。

「バスタ。もう十分だ」

グラッソ氏とロヴィート氏は職業上の関係も有した。弁護士でもある市長は、民事訴訟において同レストラン経営者の代理人を務めた経緯がある。また、カプリ・リストランテには「新鮮なトマトソースとバジル、少量のオリーブオイルを絡め、フレッシュリコッタを添えた」パスタ料理が「リングイネ・アラ・メイヤー・グラッソ」としてメニューに並んでいる。

ロヴィート氏の逮捕以降、両者の関係にはさらなる注目が集まっている。

6月、グラッソ氏はシカゴ・トリビューン紙に寄稿し、イタリア系アメリカ人を組織犯罪と不当に結びつけるメディアの報道姿勢を批判した。ただし、その論説の中でロヴィート氏の名を直接挙げることは避けている。

グラッソ氏は「シカゴの報道機関の一部が、記事を面白おかしくするためにイタリア系アメリカ人を『アウトフィット(シカゴの犯罪組織)』やマフィアの構成員としてレッテル貼りしている様子を、悲しい思いで見守ってきた」と記した。

「『アウトフィット』という言葉は、いまだに悲しいほどに売れる。もう終わりにすべき時だ。私が好んで言うように、『バスタ(Basta)。もう十分だ』」

ロヴィート氏は100万ドル(約1億5,723万円)の保釈金を納付し、身柄を解放されている。パッチの報道によれば、今月初めに保釈条件が緩和され、夜間の自宅軟禁義務は深夜から早朝の時間帯へと変更された。連邦事件の審理は現在も継続している。