ESPNが20歳の大学生のギャンブル依存症を報じた記事の上部に、DraftKings提携のオッズと初心者向け賭博ガイドへのタブを表示し、批判を浴びた

  • 大学生のギャンブル依存症を詳報した記事の上に現在のオッズを掲載したESPNに対し、批判の声が上がった。
  • この騒動は、ギャンブルの害を報じながら独占的なスポーツブック提携で利益を得るメディアの緊張関係の高まりを浮き彫りにしている。

ESPNは20歳の大学生のギャンブル依存症に関する記事を公開する一方で、DraftKingsとの提携を通じて自社プラットフォーム全体でオッズやスポーツブックへのリンクを掲載し続けているとして、批判にさらされている。

批判の矛先は報道そのものというより、その見せ方に向けられた。ESPNの記事はエリザベス・メリル記者とデービッド・パーダム記者が執筆し、学生の依存の実態に加え、若者とギャンブルに関する統計や専門家の見解を盛り込んでいた。しかし読者やメディア関係者はすぐに、ESPNのネットワーク、ウェブサイト、アプリに組み込まれたオッズなど、同社のスポーツ賭博事業の広がりを指摘した。

記事を取り囲む賭博コンテンツに批判

批判はESPNの責任あるギャンブルをめぐる報道と、商業的な賭博展開の落差に集中した。DraftKingsはESPNの公式スポーツブックおよびオッズ提供者としての独占権を持ち、利用者はESPNアプリから直接スポーツブックにアクセスできる。

SNSの利用者は、そのために依存症記事の見せ方が矛盾して見えると指摘した。

マイケル・シュア氏は「ESPNでこの痛ましい記事を読み終えたら、上にある別のタブをクリックして今日の注目オッズを見るか、初心者向けベッティングガイドをめくって自分も参加する方法を学べるよ」と皮肉った。

ジョー・キンジー氏も「このギャンブル依存症の当事者は記事内に賭博広告を載せないよう求めた。しかし記事の上部にはESPNのオッズと初心者向けギャンブルガイドがある」と投稿した。

ジェシカ・ウェルマン氏は、記事内で当事者の要望が守られたことには「とても感謝している」としつつ、「『私の人生を壊したものの広告を、私についての記事に載せないでほしい』とわざわざ指定しなければならないこと自体が、スポーツメディアと賭博の関係の問題点を物語っている」と書いた。

ESPNの賭博事業拡大が偽善批判を強めた

反発が広がった背景には、近年のESPN自身によるスポーツ賭博への進出がある。ESPNは以前、自社スポーツブックの立ち上げを試みて失敗しており、現在は製品全体でDraftKingsのオッズを幅広く掲載している。同社のネットワークでは賭博関連の解説や分析も日常的に流れている。

こうした文脈が、同社は自ら検証した記事で扱ったのと同じ生態系から利益を得ているという批判者の偽善指摘に拍車をかけた。

ダン・アレクサンダー氏はSNSで「DraftKings提供、FanDuelスタジオから生中継のESPNがお送りしました」と、この重なりを揶揄した。

ジャック・リネハン氏も隣接する賭博関連記事の配置を批判し、依存症の記事は「非常に良質で重要な読み物」だとしつつ、次の記事がカレッジフットボールの賭けの見どころだったことについて「さすがに露骨すぎるよ、ESPN」と書いた。

元記事にはESPNからの公式な反応もDraftKingsからの回答も含まれていない。今回の一件は、米国のスポーツメディアがスポーツブック製品やオッズを宣伝しながらギャンブルの害をどう報じるべきかという、より広い議論に新たな材料を加えた。