英国を拠点とするギャンブル大手のbet365は、フランス賭博規制当局(ANJ)からの承認を得て、2026年FIFAワールドカップの開幕を数週間後に控え、フランス市場へ正式に参入した。

昨年から準備が進められてきたこの動きは、近年における規制されたフランスのオンラインベッティング市場への新規参入として、最も重要なものの一つとなっている。

フランス市場はここ数年で大きな変化を遂げており、中でもFDJユナイテッドによるキンドレッド・グループブランドの買収や、バニジャイ・グループ傘下でのベットクリックとティピコの合併が際立った。

そして2026年は、bet365がさらに別の市場でプレゼンスを拡大する時期となったもようであり、同社のフランス向けプラットフォームはウェブページおよびモバイルアプリを通じてすでに公開されている。

同社はまた、全仏オープン、アーセナル対パリ・サンジェルマンのUEFAチャンピオンズリーグ決勝、ツール・ド・フランスなども含まれる、スポーツの大会が目白押しの時期を控え、市場をターゲットにした一連のプロモーション資料を展開する構えだ。

この立ち上げにより、規制管轄区域における国際的な事業拡大を続ける中、bet365のヨーロッパにおける基盤もさらに強固なものとなっている。

進出の発表にあたり、bet365はフランス向けのサービスについて、現地の消費者のニーズを満たし、規制要件を確実に遵守するように特別に調整されていると説明した。

同社は、ベットビルダーキャッシュアウト、ベットトラッカー、マッチライブといった主力ベッティング機能のいくつかを市場に導入しているほか、選手が交代した後も特定の選手に焦点を当てたベットを有効に維持できる比較的新しい機能である「サブ・オン・プレイ・オン」の提供も開始している。

bet365のグローバル最高マーケティング責任者であるアレックス・セフトンは、「bet365の拡大戦略は常に、グローバルブランドが持つ規模、テクノロジー、イノベーション、専門知識と、地元の慣習や文化に対する理解および尊重を組み合わせることを軸に構築されてきました」と述べている。

「フランスへの進出も例外ではありません。フランスのプレーヤー向けに特別に調整されたプロダクトと体験を、フランス賭博規制当局の要件に完全に準拠した枠組みの中で創出できることに胸を高鳴らせています」

厳格なフランスの規制を遵守する方針のbet365

同社は立ち上げの核として、責任あるギャンブル戦略を強調した。フランスの顧客は、さまざまな自己排除ツールやギャンブル管理機能を利用できるほか、「ジュウール・インフォ・サービス」や「エヴァリュジュ」といった国内のサポートサービスへのリンクにもアクセス可能である。

加えて、bet365はギャンブル依存症の兆候を示している可能性のあるプレーヤーを支援するため、ギャンブル依存防止研究協会(ARPEJ)とも提携している。

フランス市場は、ライセンスを持つ事業者間での規制強化や統廃合に伴い、競争が激しさを増している。

ギャンブル依存症の事例を特定するために設計されたANJの新アルゴリズムは、bet365が同管轄区域へ進出する直前に導入された。

それに伴い、高リスクと認定されたフランスのプレーヤーがGGRの60%、金額にして10億3000万ポンド(約2,205億6,000万円)を生み出していることが明らかになった。

さらにフランスは現在、ヨーロッパで最も厳しい税制を敷いており、2025年7月に改定社会保障財政法が導入されたことでさらに厳格化され、オンラインスポーツベッティングの公納金率はGGRの54.9%から59.3%へと引き上げられている。

売上高に対する公納金率はGGRの41.1%から42.1%に上昇し、オンラインポーカーの公納金率もGGRの0.2%から10%へと跳ね上がった。FDJが直近で苦戦していることが示すように、bet365にとって同管轄区域で利益を上げることは容易ではない状況にある。

しかしながら、オーナーであるコーツ一家が、100億ポンド(約2.1兆円)に迫る純資産によりサンデー・タイムズ紙の2026年長者番付で17位にランクインした事実が示す通り、同社は世界中で成功を収めてきた。

地元ストーク・オン・トレントにおける民間セクター最大の雇用主である同社は、フランスにおいてスポーツベッティング以外の分野への事業拡大も計画していることを確認している。オンラインポーカーや競馬ベッティングの開始も後の段階で見込まれている。