フランスのギャンブル規制当局であるANJは、認可を受けたオンラインギャンブル事業者に対し、プレーヤーによる様々な不正行為を特定・記録し、対応するための実務ガイドを発行した。
事業者やギャンブルオンブズマンとの協議期間を経て月曜日に公開された同ガイドは、新たな法的義務を課すものではなく、既存の不正防止およびマネーロンダリング防止規制の遵守に関する期待値を明確化するものとなっている。
新たな法的義務を課すものではないものの、フランス国内でプレーヤーの不正を管理するにあたり、事業者が遵守すべき運用枠組みを実質的に厳格化する内容である。
アカウントの閉鎖、プレーヤー残高の保留または返還、賭けの取り消し、あるいは不正に取得されたとみなされるトーナメント賞金の再分配を行うべきタイミングについて、事業者が抱えていた継続的な疑問に応える形となった。
特筆すべき点として、法的異議申し立ての対象となり得る是正措置を講じる前に、フランスの裁判所が事業者に求める証拠基準についての見解が示されている。
同規制当局は、オンラインギャンブルで頻発する不正行為を6つの主要カテゴリーに分類した。これには身分詐称、決済詐欺、悪意のあるチャージバックが含まれる。さらに、ゲーム内での不正行為、資金の不正移動、スポーツイベントの操作についても網羅された。
各カテゴリーに対し、関連する法的条項の解説と推奨される運用上の措置が記載された。
身分詐称のケースでは、不正が確定した時点でアカウントを閉鎖し、銀行口座の所有者が確認できない場合は残高を保留するよう助言している。
アカウント乗っ取りに関しては、出金時や銀行口座情報の変更時における二要素認証など、技術的な緩和策の重要性が強調された。
ポーカーでの結託やボット利用については、不正に得た賞金を被害を受けたプレーヤーに再分配できるよう、契約条項を設けることが推奨された。確固たるデータに裏打ちされている場合、裁判所がこうした措置を正当と認めてきた経緯がガイドで言及された。
証拠基準の重視
ANJは、疑いのみに基づいて行動するのではなく、証拠を提示するよう事業者に求めている。ガイドでは、IPアドレス、デバイスログ、接続時間など、過去の訴訟においてフランスの裁判所が証拠として認めてきた「収束する指標(faisceaux d'indices)」の種類が概説された。
事業者に対しては、利用規約の強化、強固な証拠の保持、技術基準の導入といった実務的なステップを踏むことが推奨された。
また、ガイドの推奨事項を反映させるため、本人確認(KYC)や不正検知プロトコル、契約条件を徹底的に見直すよう助言がなされた。
加えて、規制当局の期待値や認証基準との整合性を確保するため、現在の技術的な安全対策を評価することが求められている。
規制当局のさらなる優先事項
プレーヤー保護が再び規制当局の焦点として浮上している。今年7月、ANJは問題のあるギャンブルの兆候を示す顧客を適切に特定・支援しなかったとして、名称非公開のオンラインベッティング事業者(カンパニーX)に対し、50万ユーロ(約9,259万円)の罰金を科した。
この罰金処分は、カンパニーXが29人のハイリスクプレーヤーを適切なリスクレベルで特定できていなかったという調査結果を受けたものである。6人のプレーヤーが完全に見落とされ、23人がより低いリスク階層に誤分類されていた。
同規制当局は今年初め、2026年ワールドカップの期間中に、大会期間中のスポーツベッティング増加に伴うギャンブル依存症のリスクについて警告する啓発キャンペーンも開始している。
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