ANJは、プレーヤーによる不正の見分け方と対応を示すガイドを、新たな規則ではなくコンプライアンス支援として公表した

Autorité Nationale des Jeux(ANJ)は、免許を持つ賭博事業者向けに、プレーヤーによる不正を識別し対応する方法を示すガイドを公表した。新たな規則を設けるものではなく、コンプライアンスを支援する文書と位置づけている。

ガイドは、オンラインでのプレーヤー登録を必要とするすべての賭博(競争的なベッティング、オンライン宝くじ、プレーヤー口座に紐づくネットワークゲーミングを含む)に適用される。オンライン登録を伴わず、対面の販売網のみで行われる活動は対象外とする。

ANJは、このガイドを法令や規則で既に定められた基準(とりわけ不正・マネーロンダリング対策に関する2021年9月9日の枠組み)を補完するものと説明する。事業者の契約上の自由は維持され、個々の状況の判断は各事業者に委ねられる。

国内治安法典(Code de la Sécurité Intérieure)第L.320-4条により、事業者は不正防止に貢献する義務を負う。オンラインのゲーミングやベッティングの提供許可を求める企業は、同分野の競争開放を定めた2010年5月12日法の第18条第3項に基づき、不正対策義務を果たす能力を示す必要もある。

ANJは、免許事業者との協議やゲーミング・オンブズマンとの議論を経てガイドを作成した。

プレーヤー不正の5類型

ガイドは、事業者が直面しうる不正を5つに類型化している。すなわち、本人確認(身元)の不正、決済手段の不正、不当な銀行チャージバック、ポーカーの共謀やベッティングの操作といったゲームに絡む不正、そしてポーカーチップの受け渡しを装って口座間で資金を移す「マネーダンピング」である。

ANJはこの類型を網羅的ではないとする。ガイドは、協議の中で事業者が指摘した複数の行為(ベッティングボット、ベッティングシンジケート、締め切り間際のベット、ボーナス目当ての口座開設・解約の繰り返しなど)も挙げるが、規制当局はこれらを不正とは分類せず、その扱いを各事業者の契約条件に委ねた。

行動の前に証拠が必要

不正が確定した後の対応を論じる前に、ガイドは一つの基準を示す。事業者は疑いだけを理由に、賞金の支払いや口座残高の返還を拒むことはできない。

プレーヤーが事業者の照会に応じないことは疑いを強める材料にはなりうるが、それ自体は証拠にはならない。裁判所が何を求めるかを事業者が測れるよう、ガイドには紛争で適用される証明の水準を扱った判例の整理も収められている。

不正が確認された事例については、ハッキングされた口座から銀行情報の偽造まで、当該口座とその残高をめぐる場面ごとに、現行法上求められる対応を明確化し、あるいは推奨事項を示している。

最後に、不正を働いたと認められたプレーヤーに事業者が適用しうる違約条項について、関連法令や判例を参照しつつ推奨事項を示して締めくくっている。