DACH地域の苦戦が伝えられるブックメーカーのbet-at-homeは、2025年上期の180万ユーロ(約3億2,550万円)の黒字から転落し、2026年上期は220万ユーロ(約3億9,783万円)の純損失を計上した。

フランクフルト証券取引所上場同社の総賭け金・ゲーミング収入(GGR)は前年同期比4%減の2430万ユーロ(約43億9,400万円)となり、EBITDAは2025年上期のプラス234万ユーロ(約4億2,315万円)からマイナス185万ユーロ(約3億3,454万円)となった。

マーケティングおよび広告費は2026年ワールドカップに関連する活動が牽引し、前年同期比26.3%増の1030万ユーロ(約18億6,300万円)へと急増したが、これは会社の最終利益に「プラスの影響」をもたらしている。

「経営陣の視点において、もう一つのプラスの要因となっているのは、報告期間中に開幕した2026年FIFAワールドカップである」と経営陣は述べた。

「2025年の同期間と比較して新規登録者数は減少したものの、FIFAワールドカップ開幕に伴う顧客活動の活発化に支えられ、業績予想は据え置かれている。」

「同時に経営陣は、大型スポーツイベントが通常、総賭け金・ゲーミング収入に対してプラスの勢いを生み出すだけでなく、マーケティング費用の増加も伴うという点を考慮に入れた。」

「したがって経営陣の見るところ、2026年FIFAワールドカップは単なる収益イベントではなく、大規模なマーケティングイベントでもある。その経済的便益は、新規に獲得した顧客を大会後も持続的に維持できるかどうかに大きく依存している」

bet-at-home:市場別の動向

bet-at-homeの主要市場であるドイツにおけるゲーミングおよびスポーツベッティングのGGRは、前年同期比で概ね横ばいとなった。

オーストリアでは、オーストリアの賭け金に対する賭博税が2%から5%へ引き上げられた影響を引き続き受け、スポーツベッティングのGGRが18.4%減の604万ユーロ(約10億9,200万円)に落ち込んだ。

東欧(主にスロベニア)のGGRも187万ユーロ(約3億3,816万円)と比較的安定して推移した一方、西欧(主にスイス)では同地域におけるスポーツベッティングの事業拡大を受け、GGRが13.9%増の378万ユーロ(約6億8,354万円)となった。

全体として、同社のスポーツブック事業による総賭け金収入は2068万ユーロ(約37億4,000万円)となり、2025年上期の2225万ユーロ(約40億2,400万円)から減少している。

またワールドカップ期間中であっても、bet-at-homeにおける顧客獲得の前年同期比での減少を相殺するには至らず、2026年上期の新規登録者数は4万716人と、2025年上期の4万1519人をわずかに下回った。同社は下期の登録者増加を加速させるため、4月下旬に新たなターゲット型デジタルマーケティングを導入した。

一方でオンラインカジノのGGRは、ドイツ事業が同分野で好調を維持し、前年同期比26.8%増の363万ユーロ(約6億5,642万円)に達した。

今後の計画に見出される前向きな要素

同社はまた、2027年7月に既存の独占体制が廃止されるのに伴い、来年フィンランド市場へ参入する意向を明らかにしている。市場参入に向けて、スポーツベッティングとオンラインカジノのライセンス申請準備を進めているところである。

加えて、外部からの資本調達を行わずに事業継続が可能であることも確認された。

「経営陣は、手元流動性と営業活動によるキャッシュ流入の予測があれば、追加の外部資金調達措置を講じることなく2026事業年度の事業運営を継続するのに十分であると期待している」と会社の声明には記されている。

bet-at-homeは今年の第4四半期に、新しく拡充されるアイルランドのカジノライセンス制度に向けた申請準備を進めているほか、ドイツとオーストリア以外の許可された欧州管轄区域でオンラインカジノを提供する。そのため、マルタの事業法人bet-at-home.com Europe Ltdのもとで新ブランド「Casinoro」を最近立ち上げた。

収益、利益、EBITDAの減少が見られるものの、同社にとって捉えるべき前向きな要素は依然として存在している模様である。

過去1年間の大幅な落ち込みからの回復を目指す中、bet-at-homeの株価は今年44%上昇し、現在は3.17ユーロ(約570円)となっている。

経営陣は、通期のGGRを4600万〜5400万ユーロ(約97億6,500万円)、特別項目を除くEBITDAを収支均衡〜400万ユーロ(約7億2,333万円)の範囲と予想している。