ザ・ベネチアン・ラスベガスは、違法ブックメーカーのマシュー・ボウイヤーとの取引をめぐり、720万ドル(約11億6,900万円)の罰金を支払うことで合意した。マネーロンダリングに関する調査や違反行為で摘発されたストリップ地区のリゾートとしては、同施設で5番目となる。
この案件は、7月23日に開催されるネバダ州ゲーミング委員会の会議で採決に付される予定だ。ボウイヤーは同州のブラックリスト(ブラックブック)に追加されており、カジノへの立ち入りが禁止されている。
昨年には、ストリップ地区の4つのカジノがマネーロンダリングに関連して合計3200万ドル(約51億9,500万円)の罰金を科された。リゾーツ・ワールド・ラスベガスが1050万ドル(約17億500万円)、MGMリゾーツ・インターナショナルが850万ドル(約13億8,000万円)、シーザーズ・エンターテインメントが780万ドル(約12億6,600万円)、そしてウィン・リゾーツが550万ドル(約8億9,286万円)であった。上位3社は違法ブックメーカーとの取引が問題視され、ウィンは未登録の海外送金を理由に処分を受けている。
ボウイヤーは、ロサンゼルス・ドジャースのスタープレーヤーである大谷翔平の元通訳による違法賭博事件で有罪判決を受けたブックメーカーである。2023年10月までの少なくとも5年間にわたって違法賭博ビジネスを運営していた。時期によっては、元通訳の水原一平を含む700人以上のベッターを抱えていたという。ボウイヤーは2024年8月に、違法賭博ビジネスの運営、マネーロンダリング、虚偽の納税申告について有罪を認めている。
ネバダ州ゲーミング管理委員会が提出した苦情申し立てによると、ザ・ベネチアンはリゾーツ・ワールドやシーザーズが直面したものと同様の容疑がかけられている。すなわち、ボウイヤーに自社施設でのプレイを容認し、不審な活動に関する情報を軽視していたというものである。
「同委員会はさらに、ザ・ベネチアンがネバダ州の特権的なゲーミング許可の保有者としての義務を果たさず、ネバダ州および同州ゲーミング業界の評判を失墜させたと認定した」
申し立てによれば、ボウイヤーは1999年から、違法ブックメーカーであるとの通報を受けて出入り禁止処分を下された2024年3月まで、ザ・ベネチアンの顧客であった。2019年に2年間のブランクを経て同施設への復帰を希望した際、プレーヤー開発部門の副社長が資金源に関する過去の懸念を指摘している。しかし、ザ・ベネチアンのコンプライアンス部門は、カジノでのプレイを妨げる情報は確認されなかったとの判断を下した。
同じく申し立てによると、ボウイヤーは人工芝事業のオーナーとして、自身の収入を50万〜100万ドル(約1億6,234万円)、純資産を500万ドル(約8億1,169万円)超と申告していた。疑念が存在したにもかかわらず、ザ・ベネチアンはボウイヤーから100万ドル(約1億6,234万円)の小切手を受け取り、賭博行為を許可している。2019年から2021年にかけて、ボウイヤーはザ・ベネチアンを30回訪れ、2230万ドル(約36億2,000万円)を預け入れ、巨額の賭けを行って同施設に360万ドル(約5億8,442万円)を失った。2022年になるとプレイの頻度は低下し、13万7500ドル(約2,232万円)の損失と4万9000ドル(約795万円)の勝利を記録した。
申し立てでは、ザ・ベネチアンが過去にも事件を起こしていることが指摘されている。同施設は2022年2月にアポロ・グローバル・マネジメントへ売却される前はラスベガス・サンズの所有である。別件における不審な活動報告書の未提出を理由に、2013年に連邦政府へ4740万ドル(約76億9,500万円)を返還している。当時の罰金額は200万ドル(約3億2,468万円)であった。
ボウイヤーは2017年から2024年1月までシーザーズの顧客であり、FBIが自宅の家宅捜索を実行したことを受けてようやく関係が断たれた。また、リゾーツ・ワールド・ラスベガスは、ボウイヤーをはじめとする違法ブックメーカーとの関わりが疑われる人物を歓迎する企業風土があったとして、罰金を科されている。
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