中部運輸局は9月11日、観光庁「宿泊旅行統計調査」に基づく令和8年6月分(第2次速報値)の宿泊旅行統計を発表した。中部管内(福井・岐阜・静岡・愛知・三重の5県)の延べ宿泊者数(全体)は434万人泊で、前年同月比5.3%減となった。日本人延べ宿泊者数は375万人泊(前年同月比3.4%減)、外国人延べ宿泊者数は59万人泊(同15.8%減)。
外国人宿泊者が全体に占める比率は13.5%で、前年同月の15.2%から1.7ポイント低下した。
延べ宿泊者数の都道府県別動向
都道府県別に見ると、中部管内5県のうち前年同月比でプラスとなったのは福井県と岐阜県の2県のみ。残る3県はいずれも減少した。
福井県の延べ宿泊者数(全体)は28万5,000人泊で、前年同月比8.2%増。日本人延べ宿泊者数は27万6,000人泊(同7.6%増)、外国人延べ宿泊者数は9,000人泊(同28.1%増)と、外国人が大幅に増加した。外国人比率は3.3%で、前年同月の2.8%から0.5ポイント上昇。
岐阜県の延べ宿泊者数(全体)は53万5,000人泊で、前年同月比2.4%増。日本人延べ宿泊者数は42万1,000人泊(同2.7%増)、外国人延べ宿泊者数は11万3,000人泊(同1.1%増)と、いずれも小幅ながら増加した。外国人比率は21.2%で5県中最も高い水準を維持している(前年同月21.4%)。
静岡県の延べ宿泊者数(全体)は145万4,000人泊で、前年同月比0.7%減とほぼ横ばい。日本人延べ宿泊者数は131万4,000人泊(同1.8%増)と増加した一方、外国人延べ宿泊者数は13万9,000人泊(同19.2%減)と大きく落ち込んだ。外国人比率は9.6%(前年同月11.8%)。
愛知県の延べ宿泊者数(全体)は153万5,000人泊で、前年同月比8.3%減。日本人延べ宿泊者数は123万6,000人泊(同5.1%減)、外国人延べ宿泊者数は29万9,000人泊(同19.3%減)と、日本人・外国人ともに減少した。外国人比率は19.5%(前年同月22.1%)。
三重県の延べ宿泊者数(全体)は53万人泊で、前年同月比19.2%減と中部管内で最大の落ち込みとなった。日本人延べ宿泊者数は50万5,000人泊(同18.9%減)、外国人延べ宿泊者数は2万4,000人泊(同25.0%減)。外国人比率は4.6%(前年同月5.0%)。
参考として昇龍道9県計の延べ宿泊者数(全体)は696万5,000人泊(前年同月比1.4%減)、東海3県計(愛知・静岡・三重)は259万9,000人泊(同8.8%減)。全国の延べ宿泊者数(全体)は4,581万5,000人泊(同8.4%減)だった。
客室稼働率 中部管内全体は52.8%
令和8年6月の中部管内の客室稼働率(全体)は52.8%で、前年同月差1.4ポイント低下。全国平均の57.2%(同1.6ポイント低下)を4.4ポイント下回った。
施設タイプ別の中部管内の稼働率は以下の通り。
- 旅館:36.3%(前年同月差+4.4ポイント)
- リゾートホテル:45.0%(同+2.2ポイント)
- ビジネスホテル:66.9%(同-2.4ポイント)
- シティホテル:63.3%(同-0.9ポイント)
- 簡易宿所:18.5%(同-5.4ポイント)
都道府県別の全体稼働率を見ると、愛知県が61.7%(全国順位7位、前年同月差2.3ポイント低下)と管内で最も高い。次いで岐阜県49.8%(全国順位28位、同0.3ポイント上昇)、静岡県49.2%(全国順位31位、同0.4ポイント上昇)、福井県47.0%(全国順位38位、同4.8ポイント上昇)、三重県46.2%(全国順位40位、同8.0ポイント低下)の順となった。
施設タイプ別で注目されるのは、岐阜県の旅館の稼働率が43.5%(全国順位10位、前年同月差9.0ポイント上昇)と大幅に改善している点だ。一方、三重県のビジネスホテルは63.1%で前年同月差11.0ポイント低下、同じく三重県の簡易宿所は11.0%で同11.5ポイント低下と、三重県での落ち込みが目立つ。
愛知県の簡易宿所は稼働率28.2%(全国順位8位)で管内最高水準にある一方、前年同月差は14.6ポイント低下と最大の下げ幅となっている。
全国平均との比較では、中部管内は旅館(全国36.7%に対し36.3%)、リゾートホテル(同50.8%に対し45.0%)、ビジネスホテル(同71.5%に対し66.9%)、シティホテル(同69.2%に対し63.3%)、簡易宿所(同26.1%に対し18.5%)とすべての施設タイプで全国平均を下回っている。
外国人宿泊者の国籍構成 台湾が24%でトップ
令和8年6月の中部管内の外国人延べ宿泊者数を国籍(出身地)別に見ると、第1位が台湾(24%)、第2位が中国(15%)、第3位が韓国(13%)となっている。
全国との比較では、中部管内は台湾、中国、韓国、香港の割合が高いことが特徴だ。全国の構成比は韓国12%、中国12%、台湾17%であり、中部管内は台湾・中国の比率がより高い構成となっている。
都道府県別の国籍構成は以下の通り。
福井県は台湾26%が最多で、中国19%、韓国8%、香港8%と続く。岐阜県は台湾20%が最多、中国5%、韓国7%で、その他が20%を占める。静岡県は台湾24%が最多、韓国14%、アメリカ11%の順。愛知県は台湾29%が最多、韓国16%、中国13%と続く。三重県は台湾26%が最多、中国18%、韓国5%の順となっている。
参考として、昇龍道9県計では台湾23%が最多、韓国10%、中国13%。東海3県計(愛知・静岡・三重)では台湾27%が最多、韓国13%、中国12%となっている。
なお、欧州の数値は英国・フランス・ドイツ・イタリア・スペイン・北欧地域の9カ国を合算したもの。構成比で2%未満の数値は記載が省略されている。
7月全国速報 延べ宿泊者数5,467万人泊
参考として、令和8年7月の全国の延べ宿泊者数(全体)の第1次速報値は5,467万人泊で、前年同月比3.5%減となった。そのうち日本人延べ宿泊者数は4,110万人泊(同3.1%減)、外国人延べ宿泊者数は1,358万人泊(同4.6%減)。外国人宿泊者が全体に占める割合は24.8%だった。なお、7月の第1次速報では県別データは公表されていない。
今回発表された統計は観光庁「宿泊旅行統計調査」令和7年確定値および令和8年6月第2次速報値による。令和8年1月分調査から、層化基準が「従業者数」から「客室数」に変更されている点に留意が必要だ。
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