メイン州で過去最高額の宝くじに当選した男性が、自身の匿名保持が認められなかった裁判所の判断を受け、13億5000万ドル(約2,093億円)の大当たりについて両親に言いふらしたと主張する元パートナーに対する訴訟を取り下げる方針を示している。

裁判書類で「ジョン・ドゥ」とだけ記されているこの男性は、2023年11月に子供の母親を提訴した。彼女が自身の身元を守るための秘密保持契約に違反し、当選の事実を実父と継母に伝えたとしている。

1回の暴露につき10万ドル(約1,550万円)

原告は、仮名でサラ・スミスと表記されている元パートナーに対し、大当たりに関するさらなる情報の開示を禁止する差し止め命令を求めていた。

また、スミスに対し、これまでに情報を伝えた相手全員の特定と、無許可の暴露1回につき少なくとも10万ドル(約1,550万円)の損害賠償金の支払いを命じるよう裁判所に要請していた。

訴状によれば、この秘密保持契約はドゥ、スミス、そして娘の安全と安心を促進し、メディアや一般に身元や居住地を知られた場合に生じかねない回復不能な損害を防ぐ目的で締結された。

スミスの弁護団は、依頼人が秘密保持契約に違反したという事実を否定し、この訴訟は係争中の親権闘争において彼女に圧力をかけるために起こされたものであると主張している。

スミス側は裁判所への提出書類の中で、ドゥが自分と娘を毎日尾行する警備チームを雇っていたと主張している。

ジレンマ

ドゥ側による訴訟の取り下げ申し立ては、身元を保護するための非公開裁判の要求を退けた2025年4月の裁定を第1巡回区控訴裁判所が支持した流れの中で浮上した。

控訴審の裁判パネルは、非公開裁判の実施について、「我が国における裁判所の本来のあり方に関する歴史的概念に真っ向から反する」とした下級審判官の判断に同意している。

取り下げの申し立ての中で、ドゥの弁護士らは依頼人が身動きの取れないジレンマに陥っていることを認めている。

弁護士らは「…仮に原告が勝訴したとしても、その身元や機密情報はメディアや一般に露呈することになり、それはまさに原告が訴訟を起こしてまで避けようとした事態そのものである」と記している。

スミスの代理人を務めるピーター・ブラン弁護士は、水曜日(9月16日)にポートランド・プレス・ヘラルド紙の取材に応じ、「取り下げが『取り下げ後の再提訴を妨げない形』で行われたため、反対する方針である」と述べた。

「つまり、彼らが明日にも再び根拠のない訴訟を被告に対して起こす可能性があるということだ。そんなことは絶対に避けたいし、そもそも最初から起こすべきではなかった訴訟である」とブラン氏は語っている。