フロップはプリフロップに次いで2番目に多くプレイする局面であり、ここでの判断は残りのハンドの展開に大きな影響を及ぼす。特定のハンドでベットするかチェックするか、あるいはコールかレイズかを選択することは、続くストリートで全く異なるレンジと対峙することを意味する。

これは将来のストリートにおける最適戦略に影響するだけでなく、前のストリートでの相手の最適戦略にも影響を与える。つまり、フロップでのミスが、相手にとってプリフロップでのエクスプロイト(弱点利用)の機会を生む可能性があるということだ。意外に聞こえるかもしれないが、その理由は本記事の後半で解説する。

そこで本記事では、読者が無自覚のうちに犯している可能性が高い3つのフロップのミスと、それらがなぜ思うように勝てない理由の一部となり得るのかを紐解いていく。

早速始めよう。

フロップのミス1:レイズの頻度が低すぎる

これは非常によくあるミスであるため、最初に挙げた。

打ち負かすのが困難な戦略を実践したいのであれば、レイズやチェックレイズは必須である。

レイズはボクシングにおけるカウンターパンチだと考えると分かりやすい。頻繁なレイズがなければ、基本的には弱く予測可能なカウンターしか持たないサンドバッグ同然となってしまう。

もし相手が賢く、こちらのカウンターが非常に予測しやすい(つまり、バリュー重視のレイズに偏っている)と見抜いていれば、相手はより頻繁にベットを浴びせてくるだろう。結果として、相手は本来よりもはるかに多くのポットを獲得し、こちらがターンを無料で見る機会を奪いながら、自身はターンとリバーのカードを安く購入することでエクイティをより多く実現する。

こちらが攻撃的なカウンター戦略を導入すれば、相手は「タダで打てる」わけではないと理解し、自身の攻撃に対して慎重になる。その結果、こちらがターンを無料で見る機会が増え、より多くのエクイティを実現できる運びとなる。

さらに一歩踏み込んで、もし相手がエリートレベルのプレーヤーで、こちらが十分にチェックレイズしてこないと理解していれば、相手はプリフロップの調整すら開始する。

チェックレイズを受けないことは、Cベットの期待値を大幅に高める。つまり、Cベットのブラフは予想以上に期待値(EV)が高いということだ。これは、プリフロップでフォールドしていたようなハンドであっても、フロップで外れることが多い中で、フロップでのブラフによって期待値を高められることを意味する。しかも、これは高頻度で発生する状況であるため、プリフロップでのオープンレイズの期待値に多大な影響を及ぼす。

例を挙げてみよう

ボタンでオープンレイズし、ビッグブラインドがコールした。フロップはQ♦ J♦ 7♠である。

ここでポットの33%をCベットする場合と、チェックバックする場合のEV(獲得できるポットの割合)を比較する。赤色が濃いほど、チェックよりもベットが優れていることを示す。

この状況における相手のGTO戦略では、このベットに対して11%の頻度でチェックレイズを行う。

ここで、ブラフの一部を取り除いた場合に各ハンドのEVがどう変化するかを見ていく。

チェックのEVは変わらず、ベットのEVのみが変化している点に留意してほしい。大半のハンド、特に最も弱いハンドにおいて、赤色がより濃くなっているのが確認できる。

K♥4♥のようなゴミハンドの変化を比較してみよう。

このハンドは、GTOモデルと比較してポットの約0.8%多くを獲得できるようになった。ちなみに、このモデルはターンとリバーで相手がこれ以上のミスをしないことを前提としている。ゲームにこのような穴があるプレーヤーにとって、それは全く非現実的な想定である。

現在ポットは約5.5ビッグブラインドであるため、これはフロップを見るたびにハンドあたり0.045ビッグブラインドの利益を得る計算となる。わずかな差に見えるかもしれないが、これによりオープンレイズのレンジを以下のようなハンドまで広げることが可能となる。

フロップのミス2:フロートが足りない

プレーヤーが犯す2番目に大きなミスは、特にインポジションでプレイしている際に、フロップで簡単にフォールドしすぎることである。

ここで言及しているのは、彼らのレンジの中で最も弱い部分についてだ。

ブラインド対ブラインドの例を素早く見てみよう。スモールブラインドでオープンレイズし、ビッグブラインドがコールしている。フロップはQ♣ 8♣ 5♦で、こちらがポットの33%をベットした。

相手のディフェンスには、A♣ 4♥、A♣ 3♠、K♦ 4♦、A♥ 7♣などが含まれるべきである。K2-K7s(sはスーテッド=同スートの意)、K9s、A6oなども同様にレンジに入ってくる。

UpswingのLucid Pokerソルバーを使用した結果を確認してほしい。

彼らはこれらのハンドでディフェンスするだけでなく、レイズも行うべきであり、これは前述したフロップのミス1にも繋がっている。

これらのハンドでディフェンスしないことには、2つの二次的な影響がある。

第一の影響は、スモールブラインドがエクスプロイトとして、ブラフのCベットを大量に開始できることだ。

第二の影響は、フロップでベットを開始し、ターンでは純粋なブラフキャッチャーの多くで簡単にチェックフォールドできるようになることである。これは、ターンのスタビングレンジが強くなりすぎるために起こる。こうした弱いフロートの機能の一つは、ターンのスタビングレンジをバランスさせることにあった。それらがなければ、レンジが露骨に透けてしまう。

フロップのミス3:非常に弱いハンドでチェックしすぎる

これはインポジションでプレイする際に最も一般的だが、アウトオブポジションでも発生する。実際、オンラインの500nl以上のレートでも見かけるほど頻繁なミスである。

理解を深めるために例を挙げよう。ボタンでオープンレイズし、ビッグブラインドがコールしている。フロップはA♦ 8♠ 5♠となった。

K♣ 2♣、Q♥ 4♥、Q♥ 9♦、あるいはT♥ 9♣といったハンドを見たとき、最初に何を考えるだろうか。

おそらく内心で少し嫌気が差し、チェックバックを選択するはずだ。

もし、この特定の状況において、これらのハンドは大部分の頻度でベットすべきだと言ったらどうだろうか。確認してほしい。

ここで一つ、はっきりさせておきたい。これは「必ずしも」ミスというわけではない。

もし紙に書き出せるほど明確で正当な理由があるのなら、それが最善のプレイである可能性は十分にある。

その理由としては、以下のようなものが挙げられる。

  • アグレッシブなコーリングステーション(過剰なレイズとコールを行うプレーヤー)との対戦
  • フロップでは高い実力を示すものの、ディレイド・コンティニュエーションベットに対して頻繁にフォールドする対戦相手
  • フロップとターンでは高い実力を示すものの、リバーでのダブル・ディレイド・コンティニュエーションベットに対してフォールドする対戦相手

このハンドをチェックラインに回すことが実戦で最もEVが高い理由となり得るケースは他にもあるが、明確な理由を挙げられないのであれば、ベットを最高頻度のプレイとすべきである。

多くの対戦相手がミス1とミス2(チェックレイズ不足とフロート不足)を犯しているため、常にCベットを打つことが最適解となるゲームをプレイしている可能性が高いと私は主張したい。

ビッグブラインドの最適戦略を検討すると、ガットショットやフラッシュドローの約半分、コンボドローのすべて、そして52s、53s、75sのような低いペアの多くでチェックレイズする必要があることが分かる。また、ツーペアも半分程度の頻度でスロープレイすべきである。

対戦相手の多くは低いペアでのチェックレイズを忘れ、ガットショットよりもフラッシュドローでのチェックレイズに偏りがちであり、ツーペアではほぼ確実にチェックレイズを選択する。

フロートの面では、Q♠ T♣やJ♠ T♦といったハンドでのチェックコールを忘れてしまうのだ。

結論

ポーカーとは、長期的に見れば誰もが同じハンドを配られ、同じボードを共有するゲームである。良いハンドも悪いハンドも、良いスポットも悪いスポットも、等しく訪れる。

あなたの優位性は、対戦相手が同じ状況をプレイする方法と、あなたが各ハンドをどうプレイするかの違いの中に存在する。

強いハンドを正しくプレイするのは容易である。レンジの中間から下位の部分を適切にプレイすることこそが優位性の源泉となる。なぜなら、それらのハンドは出現頻度が高く、正しい戦略を見つけ出し実行するのが困難だからだ。

本記事は以上である。

次回まで、グラインダー諸君の幸運を祈る。

戦略的なゲームプランの構築方法についてさらに学ぶには、「ポストフロップ戦略を形作る3つのコンセプト」を読んでほしい。