マサチューセッツ州ゲーミング委員会(MGC)は、不満を抱いたベッターによるアスリートへの嫌がらせ問題に対処する。そのため、州内の全ライセンス取得済みスポーツブックおよびカジノから違反者を排除できる新たな州規模のプログラムを導入した。
BetMGMやDraftKingsといった個別のスポーツブックは、すでに契約上の権限として、自社が扱うチームや競技のアスリート、コーチに対して暴言を吐いた顧客のアカウントを停止または閉鎖する措置を講じている。
スポーツブックによる追放処分の限界
「Bet on Respect」と名付けられたMGCのプログラムは、規制当局の後ろ盾を得た処分である。マサチューセッツ州の賭博市場全体で強制力を持つほか、正式な調査および不服申し立てのプロセスも整備されている。
ベッターは別のスポーツブックでアカウントを作成すれば済むというわけではない。一度排除リストに登録されれば、マサチューセッツ州のすべての規制対象事業者がその執行を義務付けられる仕組みである。
マサチューセッツ州ゲーミング委員会のジョーダン・メイナード委員長は、「スポーツイベントにおいて、良識の範囲内での応援や野次は許容されるどころか期待すらされている。しかしスポーツベッティングは成人向けの活動であり、大人は一線を越えて嫌がらせに及ぶべきではない」と述べた。
新たな嫌がらせ報告ポータルの開設
「アスリートや審判、その他競技に関わる人々は、試合中やその前後において脅迫から守られるべきである。このツールは大きな影響力を持つだろうが、利用者が善悪を弁えることで、その活用が限定的なものとなることを期待している」
MGCは、リーグや選手会、大学の競技プログラム、スポーツ会場の代表者、あるいは選手本人が嫌がらせを報告できるポータルサイトを開設した。委員会が調査を行い、問題の中心にいるギャンブラーは排除の対象となる公算が大きい。
大学アスリートが直面する広範な嫌がらせ
全米大学体育協会(NCAA)のデータによると、学生アスリートはオンライン上で深刻な嫌がらせやいじめに直面している。ディビジョンIの男子バスケットボール選手のうち51%が競技パフォーマンスに関するオンライン上の嫌がらせを経験しており、そのうち46%が嫌がらせの直接的な原因としてギャンブルを挙げた。
Bet on Respectはすでに、ボストン・ブルーインズ、ボストン・セルティックス、ボストン・レガシーFC、ボストン・レッドソックス、ニューイングランド・ペイトリオッツ、ニューイングランド・レボリューション、NCAA、Bally Bet、BetMGM/MGMスプリングフィールド、Caesars、DraftKings、アンコール・ボストン・ハーバー、Fanatics Betting and Gaming、FanDuel、Penn Entertainment/プレインリッジ・パーク・カジノから支持を得ている。
問題を浮き彫りにした近年の事例
ギャンブラーによるアスリートへの嫌がらせ事例として、NBAヒューストン・ロケッツのフレッド・ヴァンブリート氏のケースがある。同氏は昨年2月、教会でギャンブラーに詰め寄られ、「お前のせいで3,000ドル(約47万円)のパーレイ(賭け)を外した」と因縁をつけられたことを明かした。
2025年6月には、より大きく報じられた事例として、オリンピック金メダリストのギャビー・トーマス氏が陸上競技大会でギャンブラーにつきまとわれる事件が発生した。男はレース前にトーマス氏を野次り、嫌がらせによって同氏の集中を乱したことが自身のパーレイ的中につながったと主張したため、FanDuelは直ちに当該人物を追放処分とした。
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