マサチューセッツ州スプリングフィールド市は、カジノ運営協定への違反があったとしてMGMリゾーツ・インターナショナルを提訴した。これを受け、同社は市当局がMGMスプリングフィールドの売却に向けた取り組みを妨害していると非難している。
木曜日にハンプデン上級裁判所へ提出された訴状によると、MGMおよび子会社のブルー・タープ・リデベロップメントは、雇用、カジノフロアの規模、市中心部の主要物件の再開発に関する約束を履行していないとされる。
対するMGMは、この訴訟を「根拠のないもの」と一蹴した。ドメニック・サルノ市長の政権による、カジノ売却案の承認を遅らせるための最新の試みに過ぎないとの見方を示している。
MGMの発表によれば、2024年初頭にサルノ氏および市の代表者らへ取引案を通知し、その後、買収候補先とその計画に関する情報を提供している。
同社は買収候補先を「十分な資格を備えたカジノ運営会社」と説明し、運営主体が変更された後もホストコミュニティ協定(HCA)が遵守されるとの保証を提示したとした。
売却をめぐる議論
MGMがスプリングフィールドの施設売却を検討しているとの報道は、2024年3月に初めて浮上した。翌月にはサルノ氏がMGMのCEOであるビル・ホーンバックル氏と面会し、可能性について協議している。
当時、市側は売却の可能性を「進行中のプロセス」と表現し、サルノ氏は新たな運営者に対してもHCAに基づくMGMの約束を履行するよう求めると強調していた。
MGMの最新の声明は、それらの議論がどのように進展したかを明らかにした。買収候補先が特定され、カジノの計画が市当局へ提示されていたことが判明している。
またMGMは、市当局が希望したことを受け、買収側がカジノ施設に隣接する101ステート・ストリートの物件をホテルへ改装することに合意したと主張している。
同社は「議論された中で最も高額な選択肢であったにもかかわらず、MGMと買収側はこれに同意した。しかし、市長と市は議論を前進させることを避け続けた」と述べた。
MGMは、市が取引を「遅延させ、妨害」しようとしていると非難する構えだ。
市側の主張する違反事項には、少なくとも3,000人の従業員を維持すること、および合意された2,800〜3,000台のスロット・ビデオゲーム機と75〜100台のテーブルゲームを設置するという条件の不履行が含まれている。
さらに当局は、MGMが101ステート・ストリートの改修を怠っていると非難する。市によると、同物件は7年間も足場とバリケードに囲まれたままとなった。
先月、サルノ氏は市中心部の他の再開発事業と対比させ、MGMによる再開発の失敗が「より一層際立っている」と公言した。
市法務官のスティーブン・ブオニコティ氏は、長期間の議論を経ても紛争が解決しなかったため、HCAを強制執行するには提訴が必要であったと説明している。
MGMとブルー・タープは、紛争を民間の仲裁手続きへ移行させることを求めてきた。これに対し市側は、争点が協定の「限定的な仲裁条項」の範囲外であると主張し、裁判所が判断を下すべきとの立場をとった。
MGMスプリングフィールドは、約9億6,000万ドル(約1,500億円)の費用を投じて2018年8月に開業した。
この記事にコメントする(1人1件まで)