米国で実施された新たな調査により、消防士、警察官、救急医療従事者の間におけるギャンブル関連の弊害が懸念されている。調査の結果、これらの職種ではギャンブルへの参加率が異常に高く、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状や軍務経験との関連性が浮上した。
米国の緊急対応要員の44%がギャンブル問題を抱える実態
「責任あるゲーミング教育月間」の開始に合わせてカインドブリッジ・リサーチ・インスティテュートが発表した本調査は、全米で現役の緊急対応要員507名を対象に行われた。調査はエピック・グローバル・ソリューションズが実施し、コロラド州ゲーミング局が協力している。回答者の94.5%が過去1年間にギャンブルを経験しており、そのうち44%が調査の定める問題ギャンブルの基準に該当している。さらに39%が何らかのリスクを抱えていると分類された。最も頻繁に利用されていたのはオンラインスポーツベッティングであった。
問題ギャンブルの基準を超える割合が最も高かったのは消防士で49%に達した。警察官と救急医療サービス要員はそれぞれ42%、救急救命士は39%となっている。複数の職務を兼務する回答者も存在するため、職種の違いがそのまま結果の差に直結しているとは断定できないと研究チームは注意を促した。
メンタルヘルスも大きな要因である。サンプル全体の半数がPTSDに関連する症状の可能性があると判定された。分析の結果、PTSDの症状が重いほどギャンブルのリスクスコアも高くなるという有意な相関が明らかになった。PTSDのリスクが低いと判定された回答者は、高いギャンブルリスクのカテゴリーに分類される可能性が89%低かった。ギャンブルの問題は、メンタルヘルスのスコア低下とも関連している。
軍務経験が緊急対応要員の主要なギャンブルリスク要因として浮上
軍務経験はギャンブルへの脆弱性を高める傾向にある。現在軍に所属している緊急対応要員のうち、約70%が問題ギャンブラーの基準に該当した。これに対し、軍務経験のある回答者では52.5%にとどまっている。現役の軍関係者は、軍務経験のない回答者と比較して問題ギャンブラーとなる確率が11.4倍高かった。
著者らは、緊急サービス従事者の既存の健康・福利厚生プログラムにギャンブルに関する質問項目を組み込むべきだと主張する。より個別に最適化された教育や予防、早期介入の取り組みも不可欠だ。労働組合や雇用主、規制当局、メンタルヘルスケアの提供者は、問題が深刻化する前にリスクを抱える人物を特定するため、さらなる対策を講じる必要がある。
ただし、報告書は今回の結果を予備的なものと位置づけている。サンプルは全米を地理的に代表するものではなく、特定の州の回答者が過剰に含まれていた。また、募集方法の特性上、緊急対応要員としての身分を独自に確認することが困難であった。当初888件の回答があったものの、信頼性と妥当性のチェックを経て281件が除外されている。研究チームは、今後の調査において職業ステータスの厳格な検証や、より代表性の高いサンプル、長期間の設計が必要であるとの見解を示した。
本調査は9月9日にコペンハーゲンで開催される「ギャンブル研究と政策課題に関する欧州会議」で発表される予定であり、議論の場は欧州レベルへと拡大する見通しだ。
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