概要
地中海の潮風が香るモナコで、オペラ・ド・モンテカルロが11月20日にビゼーの『カルメン』を上演する。マリーナ・ヴィオッティが主役のカルメンを演じ、同歌劇場の観客に初めて姿を見せる。
舞台となるのは、海を臨むグリマルディ・フォーラムだ。対するドン・ホセ役を担うのはベンジャミン・ベルンハイムで、彼にとってもこの役への挑戦は初めてとなる。2025年2月にリサイタルで訪れた彼が、今度は破滅的な執着に囚われる兵士として戻ってくる。
共演には、闘牛士エスカミーリョ役にエルヴィン・シュロット、ミカエラ役にサンドラ・ハマウイが名を連ねる。指揮のマルク・ルロワ=カラタユも同歌劇場へのデビューを飾る。モナコ・フィルハーモニー管弦楽団と合唱団、そして音楽アカデミーの子供合唱団という、公国の音楽的精鋭たちが一つの舞台に集う。
自由を求める女と、それに抗えない男。その激しい対立が、洗練された空間にどのような熱量をもたらすのか。上演時間は休憩を含めて約3時間。幕が降りた後、静まり返ったフォーラムに夜の静寂が戻る。
背景(当サイトのデータ)
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記者の視点
海沿いの遊歩道を歩き、潮風に混じるジャスミンの香りを追いかけたい。それから、観光客が途切れた路地裏の小さなカフェで、地元の人たちが交わす静かな会話に耳を澄ませたい。そんな、飾らないモナコの体温に触れたあとで、この豪華な舞台を眺めてみたい。
公国の精鋭たちが集い、世界的な名歌手が初出演を果たす。その完璧な調和は、心地よい緊張感とともに、街に心地よい刺激をくれるはずだ。けれど、セミステージという形式に、わたしはかすかな期待を抱く。装飾を削ぎ落とした空間だからこそ、歌手の吐息や、子供たちの瑞々しい歌声が、演出という壁を越えて、街のありのままの空気に溶け込んでいく気がするからだ。
モナコを訪れるなら、高額な宿泊費だけでなく、食事などの物価の高さに心の準備をしておいてほしい。
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