|更新日: 2026年10月16日|読了目安 約5分

ここがポイント

  • 2026年9月のカジノ総収入は180.6億パタカで前月比17.5%減。
  • マカオのゲーミング収益の鈍化は4カ月連続で記録された。
  • 事業者はライセンス維持条件として非ゲーミング投資を背負う。

2026年9月のマカオにおけるカジノ総収入(GGR)は180.6億パタカにとどまり、前月の218.9億パタカから17.5%の縮小を記録した。前年同月比でも1.2%の減少となった。

9月カジノ総収入は180.6億パタカ

数字の縮小は急速である。マカオの2026年9月のカジノ総収入は180.6億パタカとなった。

下落の規模は前月比で17.5%減となる。前年同月との比較においても1.2%の縮小を示した。

2026年9月180.6億パタカ

2025年10月 240.9億パタカ
2025年10月2026年9月
DICJの公表値(億パタカ)。金色が最新月。
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図1 マカオのカジノ総収入(GGR)の月次
月総収入
2025年10月240.9億パタカ
2025年11月210.9億パタカ
2025年12月208.9億パタカ
2026年1月226.3億パタカ
2026年2月206.3億パタカ
2026年3月226.1億パタカ
2026年4月198.9億パタカ
2026年5月226.1億パタカ
2026年6月185.2億パタカ
2026年7月202.6億パタカ
2026年8月218.9億パタカ
2026年9月180.6億パタカ

4カ月連続で続く収益の鈍化

マカオのゲーミング収益は4カ月連続で鈍化している。単月の偶発的な落ち込みではない。事業者が直面する集客の減速が数字として蓄積されている。

マカオ政府は2030年までに非ゲーミング部門のGDP貢献度を60%に引き上げる計画を掲げている。2026年8月14日の時点でこの方針は確認されている。ゲーミング単体に依存する構造からの転換が行政主導で進められている。

しかし、収益基盤の勢いが減退する過程でも、事業体には巨額の支出義務が課されている。

義務づけられた巨額の非ゲーミング投資

マカオ政府が6つのカジノ事業者に対して10年間のライセンス延長を認めた際、非ゲーミング分野への巨額投資が義務付けられた。許認可の維持コストとして資本支出が確定している。

ラスベガス・サンズは、この10年間のライセンス延長に伴い、非ゲーミング分野に約35億ドルを投資することに合意した。同社はコタイ・エキスポを約20万平方フィート拡張し、ザ・ロンドナーには53万8000平方フィートの温室と庭園を開発した。

ラスベガス・サンズの会長兼CEOのパトリック・デュモント氏は「私たちは対面での交流を非常に重視しています。ライブで得られる体験が重要なのです」と述べた。リアルな物理空間への資本投下を続ける方針である。

施設投資が先行する一方で、その投資を支える総収入の回収効率には厳密な検証が求められる。

犯罪摘発と規制強化がもたらす統制コスト

現場の規律維持にもコストが投じられている。マカオの治安局の統計によると、今年最初の9カ月間に報告されたカジノ関連犯罪は1,951件に達し、前年同期比で12.3%増加した。

無許可両替は2024年10月から犯罪として禁止された。違法賭博犯罪防止法では、賭博目的の無許可両替業務の運営は最高5年の禁錮刑に処される。今年最初の9カ月間における無許可両替は404件で前年同期比11.9%増を記録した。

日本の読者にとって

マカオのカジノは入場料が無料で、パスポートなどの身分証で21歳以上であることの確認を受ける。日本の統合型リゾート(IR)整備の議論においても、収益を非ゲーミング分野の再投資へ回す持続可能性の検証が参考となる。

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