|更新日: 2026年10月18日|読了目安 約6分
ここがポイント
- 国の申請期間は2027年5月6日から11月5日までとなる。
- 愛知県は事業者公募を行い民間から参加表明書の提出を受けた。
- 北海道は全道構想を示したが申請判断の時期は示していない。
政府は区域整備計画を受け付ける期間を2027年5月6日から11月5日までと定めた。この期限を前に、愛知県や北海道、長崎県などで動きが出ている。各地はいまどの段階まで進んでいて、何が分かっていないのか。
前回から何が動いたか
いちばん大きな動きを見せたのは愛知県だ。候補地を常滑市の中部国際空港島の約50haとする愛知県は、事業者の公募を進めている。県は2026年10月7日、9月30日の期限までに民間事業者から参加表明書の提出があったと発表した。ただし、事業者の名前と数は公表されていない。
愛知県は2026年度冬ごろまで事業者との競争的対話を行う予定だ。その後、提案審査書類の提出期限を2027年3月23日に設定している。民間事業者を決めて計画を練り上げる実務へ、確実に足を進めている。
一方で、北海道も机の上の議論を動かした。2026年2月16日にIR誘致の調査や検討費として998万円を当初予算案に計上していた道は、2026年9月7日に「IRに関する考え方」の改訂案を道議会特別委員会に提示した。そこで「北海道全体で一つのIRを形成する」構想を初めて明記した。
北海道の候補地はまだ特定されていない。2026年の意向調査では苫小牧市と函館市が関心を表明した。けれど、改訂を決める時期や国へ申請するかどうかの判断時期は示されていない。
| 自治体 | 段階 | 候補地 | 次の節目 |
|---|---|---|---|
| 愛知県 | 事業者公募中 | 中部国際空港島(常滑市、約50ha) | 2026年度冬ごろまで事業者との競争的対話を行い、提案審査書類の提出期限は2027年3月23日。 |
| 北海道 | 検討中 | 未特定(2026年の意向調査で苫小牧市と函館市が関心を表明) | 改訂を決める時期と、申請するかどうかの判断時期は示していない。 |
| 東京都 | 検討中(申請の表明なし) | 未公表 | 未発表 |
| 和歌山県 | 表明なし | 和歌山マリーナシティ(2022年の計画は県議会で否決) | 未発表 |
| 長崎県(大村市) | 民間で検討中(県は表明なし) | 大村市・大村湾周辺 | 2026年度中に基本構想をまとめ、2027年11月までに県への提案と国への申請をめざすとしている。 |
| 横浜市 | 撤退 | 山下ふ頭 | なし |
民間が動く長崎と不要を掲げる横浜
九州では、行政ではなく民間の側から火の手が上がった。長崎県の区域整備計画は2023年12月に国の認定を受けられなかった経緯がある。それでも2026年9月2日、地元企業など約40社が「大村湾グリーンIR誘致検討協議会」を立ち上げた。候補地は大村市・大村湾周辺だ。
協議会は2026年度中に基本構想をまとめ、2027年11月までに県への提案と国への申請をめざすとしている。ただ、長崎県自体は現時点で表明を出していない。都道府県の同意がなければ国への申請はできないため、県を動かせるかがこれからの境目になる。
反対に、きっぱりと背を向けた街もある。2021年9月10日に市長が所信表明でIR誘致の撤回を宣言した横浜市だ。2026年10月18日実施の市長選でも、候補者7人全員がIR誘致は不要と回答した。横浜商工会議所の副会長の坂倉徹氏は「2021年の市長選で横浜市民によるIRへの明確な反対が確認されており、この問題はすでに決着している」と話している。
2027年5月の申請受付に向けた節目
時計の針は止まらない。2回目の申請受付期間は、2027年5月6日から11月5日までに決まっている。
IR整備法で認定できる区域は全国で最大3か所と定められている。すでに認定されたのは、2023年4月14日に公示された大阪府・大阪市の区域整備計画だけだ。現地ではMGMリゾーツ・インターナショナルがオリックスなどの地元パートナーと開発する日本唯一の承認IR、MGM大阪が2030年末の開業をめざしている。
わたしは夢洲の埋め立て地を見ながら育った。地元に新しい仕事が生まれる動きは素直に頼もしい。愛知県では参加表明書を出した事業者が現れた一方で、事業者の名前も数もまだ明かされていない。次は冬に行われる事業者との競争的対話の内容を確認する。
日本の読者にとって
IR整備法では、都道府県または政令指定都市が民間事業者と共同で区域整備計画を作成し、国土交通大臣の認定を受ける必要があります。残る枠は最大2か所ですが、自治体の議会や住民の合意形成には長い時間がかかります。2027年11月の申請期限までに、どの地域が事業者と組んで計画を提出できるかが問われます。
読者のみなさんへ
愛知県のように事業者の公募が進む地域と、北海道のように全道構想を掲げる地域、どちらの動きを重視しますか?
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よくある質問
大阪の次にIRができる可能性はありますか?
政府は残る最大2枠に向けて2027年5月6日から11月5日まで申請を受け付ける予定で、愛知県や北海道などが検討や手続きを進めています。
出典
- トラベルボイス
- 観光庁
- 観光経済新聞
- 愛知県
- 北海道庁
- 東京新聞
- わかやま新報
- 長崎新聞
- 日本経済新聞
- カジノNEWS.win「日本のIR」
- 観光庁「IR整備法第九条第十項の期間を定める政令の一部を改正する政令案」
- 当サイトの記事「北海道、IR誘致に関する調査費として998万円を予算案に計上」(2026年2月16日)
- 当サイトの記事「横浜市長選の候補者7人全員がカジノを含むIR誘致は不要と回答した」(2026年10月10日)
- 当サイトの記事「横浜市長選の候補者7名全員がカジノを含むIR誘致に反対の姿勢を表明」(2026年10月5日)
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