- IACの再編によりMGM株への重点が強まる見通し
- ディラー氏はMGMを自社の「中核」資産の1つと位置付けている
- MGM株は過小評価されているとの見方を改めて強調した
バリー・ディラー(Barry Diller)はIAC/インタラクティブコープ(IAC/InterActiveCorp、NASDAQ: IAC)の再編を進めており、保留中の変更により、同社が保有するMGMリゾーツ・インターナショナル(MGM Resorts International、NYSE: MGM)株式26%への注力が一段と強まる見通しだ。
IACのバリー・ディラー会長。同社は社名を変更し、MGMへの投資により注力する計画だ。(写真提供:モニカ・シッパー/ゲッティイメージズ)
火曜日に発表したメディア複合企業IACの株主宛て書簡で、ディラー氏は、同社が8月にも社名を「ピープル・インク(People Inc.)」に変更すると明らかにした。また、出版事業とカジノ大手への投資に経営の重点を絞る方針を示した。
「ピープル・インコーポレイテッド(People Incorporated)の資産群には、ほぼバーチャルなメディア事業の資産と、MGMリゾーツ(MGM Resorts)の非常に実物の資産とが含まれる。言い換えれば、予測困難な速さで変化している世界における、完璧なヘッジと言ってもよい」と、ディラー氏は書簡に記した。
同氏は、MGMへの投資を監督しつつ、現職の会長および上級執行役員の地位にはとどまると述べた。
MGMにいまだ期待を寄せるディラー氏
IACは2020年8月、当時10億ドル(約1,590億円)と評価されていたMGMの12%の持ち分を取得した。カジノ大手であるMGMが自社株買いに積極的であること、加えて最近になって持ち分がわずかに増えたことも手伝い、ディラー氏の会社は現在、ベラージオ(Bellagio)運営会社の発行済み株式の26%を保有するに至った。間もなくピープル(People Inc.)に社名を変更する同社は、MGMの最大株主となる。
これまで、ディラー氏はIACがMGM投資への追加出資を検討する方針であると指摘していた。ディラー氏の会社がMGMで当初の持ち分を構築して以来の6年間、同メディア事業体は主に受動的な投資家であった。ただし、同ゲーミング事業者が大型買収を追求した場合には資金調達面で支援する可能性があるとの観測があったほか、億万長者の同氏がMGM株の業績に時折不満を抱いていたとのうわさもあった。
ディラー氏はIACの株主宛ての書簡で、MGMのビル・ホーンバックル(Bill Hornbuckle)最高経営責任者(CEO)と、同カジノ運営会社が「優れた経営陣(an outstanding management team)」を擁していると評価した一方、同社株は大きく割安だと付け加えた。
「MGMのマカオにおけるリーダーシップの地位は業界の羨望の的であり、日本で建設中のメガリゾートは巨大な将来の機会です。デジタル事業は収益性高く成長しており、同社株は依然として大きく割安です」とディラー氏は述べた。
ディラーとMGM協議のタイミングに注目
ディラーが株主に送った書簡は、同社とMGMが合意に達し、ピープルズ(People Inc.)がカジノ運営会社の他の投資家の投票比率に応じて自社株を投じることになると明らかになってから約3週間後に届いた。
要するに、その合意は特定の状況下において、ディラー氏の企業が同カジノ会社に及ぼす影響力を制限するものである。メディア王にとってそれが問題にならない可能性があるのは、同氏がMGM株に対してまだ公然とアクティビスト的な立場を取っておらず、これを長期投資と見なしているためだ。
ディラー氏と前IAC最高経営責任者(CEO)のジョーイ・レヴィン氏(Joey Levin)はMGMの取締役会に名を連ねているが、当面は同社への注力強化がどのように展開するかは不透明である。