【メキシコ市=AP】米財務省は14日、メキシコの犯罪組織「北東カルテル(Northeast Cartel)」への関与が疑われるとして、同カルテル系の個人3人とカジノ2施設に対する制裁を発表した。同カルテルはトランプ政権が昨年、テロ組織に指定した複数犯罪グループの一つである。
ワシントンは、旧「ロス・ゼタス」の後継とされる北東カルテルへの取り締まりを強化している。同カルテルは武器・麻薬・人身取引の容疑が持たれており、暴力行為や恐喝を特徴とする。拠点は米・メキシコ国境で最も取扱量の多い商業港湾都市ヌエボラレドに置かれている。
制裁対象の一つは、タマウリパス州ヌエボラレドにあるギャンブル施設カジノ・センテナリオ(Casino Centenario)で、米当局は同施設が麻薬の保管拠点として機能し、賭博活動を通じたマネーロンダリングの手段となっていると主張している。
財務省はまた、タマウリパス州北部のタンピコに本拠を置くカジノ・ディアマンテ(Diamante Casino)も制裁対象とした。同社はオンライン賭博サイトも運営している。
制裁は、カルテルによるテキサス州への密入国ルートの「ゲートキーパー」とされるエドゥアルド・ハビエル・イスラス・バルデス容疑者、および不正支援を提供したとされる弁護士フアン・パブロ・ペニーリャ・ロドリゲス容疑者など、有力な協力者にも及んだ。
リストには、財務省が人権擁護を装いカルテルの偽情報を拡散する有償工作員と位置付けた活動家ヘスス・レイムンド・ラモス氏も含まれている点が注目される。
米国の制裁措置により、対象者が米国内に保有する資産は凍結され、米国の人間が彼らと取引することは禁じられる。
ラモス氏からのコメントは直ちには得られなかった。
ラモス氏は2023年3月、メキシコ軍と政府が自身を北東カルテルと結び付ける告発を仕組んだと主張し、関与を否定していた。独立調査により、同氏の電話が2020年にスパイウエア「Pegasus」に侵害されていたことが後に確認されている。
米当局によれば、ペニーリャ・ロドリゲス容疑者は旧ロス・ゼタスの指導者の一人で「Z-40」の異名で知られるミゲル・アンヘル・トレビーニョ・モラレス氏を支援した。同氏は昨年、弟であり組織の首領のオマル・トレビーニョ・モラレス氏ほか27人と共に米国へ身柄を引き渡されている。
なお、昨年8月には、同犯罪組織との関与が疑われるとして、メキシコの人気ラッパー、リカルド・エルナンデス・メドラノ氏(芸名エル・マカベリコ、またはコマンド・エクスクルーシボ)と個人2人が制裁対象となっている。