2大スポーツブックとの契約締結は見込まれているものの、その条件はNFLが求める水準を下回る公算が大きい。
更新:NFLは木曜朝、FanDuelおよびDraftKingsとの契約締結を発表した。
Genius Sportsの株価が下落し、NFLの投資価値も連動して低下する中、リーグ側は同社のデータ活用能力を武器に、より高額なスポーツベッティングのパートナーシップ契約を狙っている。
NFLは公式スポンサーの認定条件として、スポーツブック各社に対しGeniusのデータフィード契約を義務付けた。当然ながらこれには多額の費用が発生するため、運営各社は投資収益率(ROI)をより厳しく注視するようになっている。
交渉の主導権は、スポーツブック側に傾きつつある。
Fanaticsは先週、新たなパートナーシップを発表し、現在NFL唯一の公式スポーツブックとなった。昨シーズンの終了に伴いスポーツベッティングのカテゴリーが見直されるまで、DraftKings、FanDuel、Caesarsの3ブランドがその地位にあった。数年前に全米広告費を削減していたCaesarsは、契約更新に関心を示さなかった。
米国での賭け金総額の80%以上を占めるDraftKingsとFanDuelは、公式パートナーの座を維持したい意向だ。スポーツマーケティングの業界関係者は、最終的には契約が締結されるとみているが、その条件はNFLの希望額に届かないと予想している。
2021年にNFLが締結した3件の契約は、5年間の総額で10億ドル(約1,594億9,000万円)弱であったと報じられている。
VIG Partnersの創業者兼CEOであるエリック・フート氏は、Gambling Insiderに対し「スポンサー料が下がるとは言わないが、NFLやGeniusが期待する前年比での増額を維持するだけの交渉力は、もはや彼らにはないのではないか」と語った。
リーグとのスポンサー交渉に関与するフート氏は、「価格は下がるのか、それとも横ばいか。横ばいというのが妥当な予測だろう」と推測する。
Geniusの収益源を絞り込む
NFLはGenius Sportsの株式の約8.7%を保有する筆頭株主である。同社の株価は本稿執筆時点で7.60ドル(約1,200円)前後で推移しており、NFLとの資本関係が始まった2021年当時の21〜22ドル(約3,500円)台から大きく下落した。1年前と比較しても40%以上のマイナスとなっている。
リーグがマーケティング権とGeniusのサービスをセットで提供しているのも不思議ではない。同社のサービスにはデータだけでなく、試合のライブストリーミングも含まれた。
PointsBetの元最高戦略責任者であるフート氏は、「NFLとGeniusは、その関係性と公式権利を最大限に利用して価格を吊り上げ、収益を最大化しようとあらゆる手を尽くしている。しかし、ブックメーカーにとってデータやライブストリーミングにかかるコストは、損益計算書やROIを考慮する上で無視できない金額である」と付け加えた。
スポーツブック各社にとって、データとストリーミングという両コンポーネントの価値は、いささか疑わしいものとなった。
フート氏は「公式パートナーであるGeniusを経由せずとも、データを取得する方法はある。そうした公式契約を結ばずとも、ビジネスを十分に効果的に運営することは可能だ」と指摘した。
ユーザーのベッティングと視聴体験を統合するGeniusのストリーミング製品は、同社が考えるほどスポーツブックにとって価値があるとは限らない。
FanaticsのNFL契約を最初に報じたSports Business Journalのビル・キング氏は、「Geniusはその製品に非常に強気だが、人々は55インチのテレビではなく、わざわざモバイル端末で試合を見たいと思うだろうか。これこそが『我々のデータを導入すべき理由』だと主張するには、あまりに高額な費用を請求している。スポーツブック側はそう考えるはずだ」と述べた。
市場をリードするスポーツブックが握る主導権
NFLが前回のスポンサー契約を締結してから5年が経過し、スポーツベッティングを取り巻く環境は大きく変化した。合法的な賭けの拡大は頭打ちとなっており、運営各社がマーケティングや顧客獲得に過剰な資金を投じる動機は薄れた。結局のところ、大半の顧客はすでに獲得済みであるためである。
加えて、競争環境も縮小している。DraftKingsとFanDuelに対して市場シェアを奪えず、撤退を余儀なくされた運営会社が相次いだ。2021年には他に4つのブランドがGeniusと契約し、NFLの「認定スポーツブック運営会社」となった。しかし、そのうちFox Bet、WynnBET、PointsBetはすでに事業を終了しており、残るはBetMGMのみである。
市場を支配する2社にとって、これは顧客獲得競争だけでなく、リーグの権利を巡る競争においてもライバルが減ったことを意味する。
フート氏は「NFLやGeniusが求める高額な手数料を支払おうと列をなすスポーツブックは、もはや存在しないだろう。5年前はリーグ側に主導権があったが、DraftKingsとFanDuel、特にこの2社は事態を静観する構えだ。予算に見合う契約が見つかるまで、彼らは待つだろう」と語った。
契約締結は「間近」
キング氏の理解によれば、GeniusとのNFLデータ契約は、運営会社ごとに価格が異なる。スポーツブックの賭け金総額が大きいほど、ライセンス料も高額になる仕組みである。つまり、DraftKingsとFanDuelに提示されている価格は、Fanaticsの請求額よりも高い。
キング氏は「Fanaticsにとって、データに関する条件はFanDuelやDraftKingsよりも幾分容易だったはずだ。とはいえ、結局は価格の折り合いがつくかどうかの問題に過ぎない」と説明した。
フート氏も、この2大巨頭がNFL公式パートナーの地位を維持することに同意している。交渉は常の通り、期限ギリギリまでもつれ込む見通しである。
「結局のところ、Geniusを通じたデータとストリーミングのコストに集約される。毎年繰り返されるお決まりの光景だ」と述べた。
「契約は必ずまとまる。キックオフが交渉の期限だ。遅くともシーズンの第1週か第2週までには契約が完了するだろう。締結は間近であり、協議は現在も進行中である」
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