南米流の味付け

「Ocean Hunter」などのヒット作を手掛けるiGamingスタジオTaDa Gamingが、現地の配信者(ストリーマー)との共同制作で新作を作り、ブラジル市場向けの専用スロットを投入する戦略を明らかにした。

TaDa Gamingのエイター・ランガ事業開発マネジャーは、ブラジルの業界メディアによる独占インタビューで、配信者とのさらなる提携を模索していると述べた。

「ブラジルの人々が理解できる形でこの市場を受け入れたいためだ」と同氏は語った。

ランガ氏の発言は、ブラジル人配信者のユリ・ブリダ氏(@yuri22)が昨年12月に自身のTaDa Gamingスロット「Fortune Yuri 500」を公開した後のものだ。ブリダ氏はインスタグラムで同作を共有した。

台湾拠点のカジノ・コンテンツ開発元と組んで自身のスロットを共同制作したブリダ氏は、2025年7月だけでもTaDaのタイトル配信で「500万回の視聴と225分のライブ配信」に到達した。終了したばかりのBiSのSiGMA South Americaイベントでは、TaDaのマーケティングキャンペーンの中核を担った。

同イベント後、ランガ氏はTaDaのブラジル向けパイプラインに、配信者との共同制作タイトルがさらに控えていると明らかにした。

ブラジルでの存在感

ランガ氏は、TaDaが現地で足場を築いてきたのは、「ブラジルの人が遊びたいものに焦点を当てたゲーミフィケーション」という南米流のアプローチを取り入れてきたためだとし、同国の人気配信者には一様に「ブラジルらしい空気感」があると説明した。

「それを当社のゲームに持ち込んでいる」とランガ氏は述べた。

これが、ブリダ氏と組んで「Fortune Yuri 500」を作った戦略の背景でもあり、同社はブラジル市場に向けて「他のカスタム作品も今後に向けて準備している」と語った。

SiGMA会場でブリダ氏(@yuri22)にファンが殺到する映像を見る限り、同氏はTaDaにとって鍵となるアセットだ。1配信当たり平均で最低4万人の視聴者を集めるという。ブリダ氏の配信では、「Lucky Jaguar 2」「Lucky Tiger」「Fortune Gems」シリーズなどのスロットが取り上げられてきた。

ブリダ氏は、TaDaの没入型ゲームによるブラジル市場への独自の参入を高く評価しつつ、「自分がいつかゲームの中に入るとは想像もしていなかった」と述べた。

「収録に参加し、制作の過程に加わり、それが形になっていく様子を見るのは素晴らしい経験だった。このプロジェクトを心から誇りに思っている」と付け加えた。

ブリダ氏は自身をボーナス購入(buy-in)派だと述べ、TaDaの買い取り機能は「ゲームプレーに特別な風合いを加え、プレーヤーに戦略的な妙味を与えると同時に、短時間配信と話題性のあるハイライト共有も容易にする」と指摘した。

文化を受け入れる

TaDa幹部のランガ氏は、同社は「この製品を台湾から、アジアから、ブラジル人への愛情を込めてブラジルに届けられることを誇りに思う」と述べた。

「Fortune Yuri 500」と今後予定する配信者コラボに触れ、ランガ氏は「当社のような規模感でこれを手掛けている企業は他にはいない」と付け加えた。

先月末には、Hacksaw Gamingが次世代のゲーム開発の革新者を支援するiGaming部門を立ち上げ、4月にはDead Headzの制作元Jinx Gamingへの第1号投資を決めた

Hacksawがクリエイター側を見据える一方、TaDaは人気プレーヤー(配信者)側の力で手札を厚くする構えだ。ランガ氏は「配信者との共同制作による新作ゲームは今後さらに投入する」と明言した。