カナダ・オンタリオ州のオンラインカジノ市場は、短期間で世界有数の規模に成長した。一方、ゲーミングの急拡大に伴ってプレーヤー保護策の強化も不可欠となっている。こうした状況を受け、州のオンラインゲーミング規制機関iGaming Ontarioは、新たな統合型自己排除システムを発表した。

プレーヤーを守る「BetGuard」

発表はトロントで開かれた責任あるギャンブル協議会(RGC)の年次会議「RGC Discovery」で行われた。iGaming Ontarioは、新自己排除システム「BetGuard(ベットガード)」を披露した。同システムはIntegrity Compliance 360とDataworksとの協業で開発され、州内プレーヤーは今後、信頼できる自己排除スキームを利用できるようになる。

iGaming Ontarioは2026年5月に同システムの運用を開始する計画である。これにより、州内プレーヤーは規制対象のオンラインゲーミング事業者すべてから一括で自己排除することが可能になる。同機関は、プレーヤーが主導権を保てるよう、自己排除の手続きをシンプルで直感的なものにすると表明した。

BetGuardは最長5年までの複数の排除期間を設定できる。重要な原則の一つは、排除対象のプレーヤーにゲーミング広告が届かない仕組みを確保し、新規アカウントを作成して賭けを継続することを防ぐ点にある。

オンタリオ州内で認可を受けた82事業者は、いずれも自己排除制度の提供が義務付けられている。BetGuardの導入によりこの義務自体は変わらないが、賭け全般からの離脱を選べる、より包括的な仕組みが加わる形となる。事業者には新システムへの参加に加え、サイト上での可視化も求められる。

遅れを取り戻す安全策の拡充

iGaming OntarioのCEO、ジョセフ・ヒリエ氏はCanadian Gaming Businessに対し、BetGuardの導入について、開始が遅れたと率直に認めたうえで、プレーヤーがより安全なゲーミングツールに容易にアクセスできる環境整備がチームの目標であり、統合型の自己排除システムはその要だと述べた。

ヒリエ氏は、BetGuardが自己排除をより迅速かつ円滑にすることで実質的な効果をもたらすと自信を示した。また、同制度の実現には全事業者の参加が不可欠だったとも指摘している。

関連の動きとして、オンタリオ州政府と責任あるギャンブル協議会(RGC)は最近、若年男性を対象とした安全な遊技キャンペーンを発表した。「Moment of Reflection」と名付けられたキャンペーンは、ゲーミングのリスクと、依存に苦しむプレーヤー向けの安全な遊技ツールおよび教育資料の利用を呼びかける内容となっている。