ラッパーの50 Cent(フィフティ・セント)氏は、2026年9月29日から10月1日までラスベガスのベネチアン・エキスポで開催されるG2Eにおいて、ニューヨークの路上で親しまれてきたダイスゲームのカジノ版を初公開する。

クイーンズ出身の有力者である同氏(本名:カーティス・ジャクソン)は、英国のゲーミング機器メーカーTCSJOHNHUXLEYと提携し、ライセンス契約に基づくカジノテーブルゲーム「50 Cent Headcrack」を開発した。このゲームは、ダイスゲーム「シーロー(Cee-lo)」の仕組みを基盤としている。

50 Cent氏は2026年9月17日、自身のインスタグラムで本プロジェクトを先行公開した。同氏は、独自のルールで長年親しまれてきたゲームを、ようやく正当なカジノゲームとして確立させる試みであると位置づけている。

TCSJOHNHUXLEYのプレスリリースにおいて、同氏は「このゲームは100年もの間、街角で生き続けてきた。今やディーラーがつき、配当表が用意され、本物のカジノで遊べるようになった。使うダイスは同じだが、舞台は一新された」と述べた。

多文化にわたる歴史

「シーロー」は中国語で「4・5・6」を意味する「si wǔ liu」に由来し、3つの6面ダイスを使って遊ぶ。1893年にはすでに中国系アメリカ人の間で人気を博しており、1970年代後半にはヒップホップ文化に取り入れられ、ハーレムやブルックリン、ブロンクスの街角で定番の遊びとなった。

ナズ氏、ノトーリアス・B.I.G.氏、ジェイダキス氏らも楽曲の中でこのゲームに言及している。クール・G・ラップ氏は1995年のアルバムに『4,5,6』と名付け、表題曲には「Headcrack, time to get the bread(ヘッドクラック、金を稼ぐ時間だ)」という一節が含まれていた。50 Cent氏のカジノ版の着想は、この歌詞から得られた可能性が高い。

しかし、このゲームを最も広く一般に知らしめ、愛情を込めて表現したのはトーマス・デカルロ・キャロウェイ氏である。同氏は自身のステージネームである「シーロー・グリーン」を、このゲームから直接引用している。

カジノ向けのアレンジ

TCSJOHNHUXLEYによると、「50 Cent Headcrack」は、既存のテーブルゲームのプレーヤー層以外を惹きつけるとともに、着席したプレーヤーを飽きさせない設計となっている。その一方で、3つのダイス、1人のシューター、そして「4・5・6」の出目を目指すという、シーロー本来のドラマ性は維持されている。

同社は「3つのダイス、3つのメインベット、そしてピットの遠くからでも結果が判読できる明快さにより、1ラウンドでルールを習得できる。若年層のゲストや、クラップスは人前で覚えるのが恥ずかしいと感じて敬遠していた多くのプレーヤーにとっての入り口となるだろう」と説明した。

ストリート版のシーローとの主な違いとして、カジノ版では「1・2・3」を自動的な負けとはせず、また「トリップス(ゾロ目)」や「ペア+6」を強力な勝ち役として扱わない点が挙げられる。

カジノ版では各ハンドが「バンク対シューター」の形式で構成され、引き分けへのベットも可能だ。シューターが「4・5・6」を出すと、テーブル全体で「Headcrack!」という掛け声が上がり、頭蓋骨とダイスを模したディスプレイが点灯する仕組みだ。

「50 Cent Headcrack」は、従来の物理的なダイスを使用する形式と、自動化されたダイス技術を用いた形式の両方で、商業カジノ運営者向けに提供される予定である。

本稿執筆時点で、導入を公に表明したカジノはない。しかし、その交渉はG2Eの会場で行われる公算が大きく、そこで真のダイスが振られることになる。