大阪府・大阪市がカジノを中核とした統合型リゾート(IR、2030年開業予定)に先駆けて整備する、「大阪依存症対策センター(仮称)」の基本構想案が判明した。依存症の当事者やその家族から相談を受け、医療機関や自助グループへつなぐ「橋渡し役」となることを想定する。

 センターは、IR開業によるギャンブル依存症拡大への懸念に対応するため、府・市が29年度中に開設する。読売新聞が入手した基本構想案では、依存症対策の「トップランナー」を目指し、ギャンブルやアルコール、薬物など多岐にわたる依存症の予防から回復までを支援して、啓発活動も担う。

 センター内には相談室や研修室、情報発信用のスペースを設け、平日の夕方以降や休日も開所することを想定している。相談は対面だけでなく、電話やオンライン、SNS、生成AI(人工知能)の活用も検討する。

 センターには保健師や心理士、医師らを配置する予定だ。依存症の人は心身の問題に加えて借金や貧困、家族関係のこじれなど様々な悩みを抱えるケースが多い。相談の受け手には依存症への深い理解が必要となり、人材をどう確保するかが課題となる。

 基本構想はセンターの方向性を示したもので、具体的な組織体制は来年3月に公表予定の「基本計画」に盛り込む方針だ。

 センターの設置場所は、基本構想案では「交通至便な場所で物件を借用して設置することが基本」とされ、具体的な場所は明記されなかった。

 府・市は今後、大阪・梅田の商業施設「E―ma(イーマ)」で依存症に悩む人の相談を受け付ける「実証事業」(9月9日~10月6日)などを行い、訪れた人の意見などを踏まえて検討する。