• ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は4月16日にラスベガスを訪問予定
  • 訪問は連邦確定申告期限(Tax Day)の翌日
  • トランプ氏は自身の「チップ非課税(No Tax on Tips)」政策をアピールする見通し

ドナルド・トランプ大統領は来週、ラスベガスを訪問する予定だ。同氏は南ネバダのいずれかで開催予定の集会で、自身の「チップ非課税(No Tax on Tips)」政策を訴えるとみられる。一方で、ギャンブル損失の控除に影響を及ぼす可能性のある政策をめぐり、ギャンブラーから質問を受けることになりそうだ。

トランプ氏は来週木曜日の4月16日にラスベガスを訪れる予定だ。同訪問は、延長申請なしで米内国歳入庁(IRS)に連邦税を申告する期限の翌日にあたる。

大統領は、「ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル(One Big Beautiful Bill、以下OBBB)」が、ラスベガスおよび全米のカジノ・接客業従事者のチップに対する連邦税負担を軽減することで、彼らをどのように支援するかについて説明する見通しだ。

共和党の同税制法案OBBBは、チップを受け取る労働者が2026年以降、受け取ったチップのうち最大2万5,000米ドル(約375万円)を連邦税の納税義務から控除できる内容となっている。

「大統領の政策によって米国民がどれほどの恩恵を受けているかについて、皆さんは何度も耳にすることになるだろう。来週、大統領がこの歴史的な成果を訴えるためにネバダ州とアリゾナ州という素晴らしい両州を訪問する予定だとお伝えできることを誇りに思う」

こう述べたのは、ホワイトハウスのカロライン・リービット(Karoline Leavitt)報道官だ。

OBBBは2026年課税年度から少なくとも2028年までのチップ関連規定を承認しており、それ以降も継続するには議会が同規定を延長する必要がある。

労働者が受け取る最初の2万5,000ドル分のチップに連邦税を課さないというこの政策は、全米最大のカジノ労働者組合である「カリナリー・ユニオン(Culinary Union)」をはじめ、トランプ氏の反対派からさえも歓迎された。この支援策は、2025年の来訪者数が前年比7.5%減となった、ラスベガスにとって厳しい1年を経て示された。

2025年初頭、ラスベガス・ダウンタウンのサーカ・リゾート&カジノ(Circa Resort & Casino)に立ち寄った際、トランプ氏はこの「チップ非課税」の公約を強調した。

「もしあなたがレストラン従業員、サーバー、バレー係、ベルボーイ、バーテンダー、あるいは私のキャディーの一人であるなら——私はキャディーをキャンディーのように次々と使うが——あなたのチップは100%あなたのものになる」

トランプ氏はこう述べた。

OBBBのもう一つの税制条項がギャンブラーを標的に

しかし、ゲーミング業界に関わるOBBBのもう一つの重要な条項は、ネバダ州および他のゲーミング州の健全性を脅かしている。項目別控除(itemized)で連邦税を申告するギャンブラーが、勝ち分に対して控除できる損失額を引き下げる内容だからだ。

共和党のこの税制見直しは、勝ち分に対する損失の控除上限を100%から90%へ引き下げた。この変更により、年間で10万米ドル(約1,500万円)を勝ち、同額を失ったギャンブラーでも、1万ドル(約150万円)の「架空所得(phantom income)」に対する連邦税を負うことになる。

このギャンブル損失控除は、企業が売上に対してほとんどの経費を控除できるのと同様に、プロおよびカジュアルのギャンブラーが勝ち分に対して損失を控除できる仕組みを担ってきた。

米下院議員のディナ・タイタス(Dina Titus)氏(民主・ネバダ州選出)と、上院議員のキャサリン・コルテス・マスト(Catherine Cortez Masto)氏(民主・ネバダ州選出)は、このギャンブル損失控除を100%に戻すための法案を議会に提出している。

「来週、@POTUS(米大統領)がここネバダで税制について語る際には、90%のギャンブル損失控除を是正するよう求めようではないか」

タイタス氏はXにこう書き込んだ。

タイタス氏の「FAIR Bet Act(FAIRベット法)」は、税申告者が勝ち分に対してギャンブル損失の100%を控除することを認める内容だ。仮に成立すれば、同法は2026年初頭に遡って適用される可能性がある。コルテス・マスト氏も類似の法案「FULL House Act(FULLハウス法)」を提出している。

ギャンブル損失控除の90%上限を維持すべきだと主張する推進派は、ギャンブルは娯楽の一形態であり、したがってその支出は控除対象にすべきではないと論じている。

アラバマ大学ロースクール(University of Alabama School of Law)のジョセフ・D・ピーラー法学教授であるミリット・エヤル=コーエン(Mirit Eyal-Cohen)氏と、ラトガース・ビジネススクール(Rutgers Business School)の税制学特別教授(distinguished professor of Taxation)であるジェイ・ソレッド(Jay Soled)氏は、最近ザ・ヒル(The Hill)に掲載された論説でこの問題について論じた。

「ギャンブルの勝ち分が課税されるのであれば、公平性の観点から、株式など他の投資と同様に損失も相殺されるべきだと論じる向きもあるだろう。しかし税法は、見込み客をブロードウェイ(Broadway)のショーに連れて行くなど個人的な消費が入り込んだ収益活動については、すでに控除を認めていない」

エヤル=コーエン氏はこう執筆した。

「一貫性の観点からは、ギャンブル損失控除の否認が求められる」

同氏はこう結論付けている。