Bally's Corporationが財務部門の刷新に踏み切った。同社はシカゴでのカジノ建設プロジェクトにおける遅延や市当局との対立、さらには流動性に対する懸念の高まりといった困難な状況に直面している。

ミルチェバ氏の辞任に伴いパパニア氏が暫定CFOに就任

ミラ・ミルチェバ氏がエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼CFOを辞任した。9月4日付での退任となる。Bally'sは、この決定が「個人的な理由」によるものだと説明している。同氏は9月30日まで会社に留まり、引き継ぎ業務や第3四半期の財務処理を完了させる予定である。

Bally'sでランドベース・カジノ運営部門のプレジデントを務めるジョージ・パパニア氏が、暫定CFOに指名された。同社は後任の選定作業を開始している。

パパニア氏は40年以上にわたるゲーミング業界での経験を有し、Bally'sで数々の要職を歴任してきた。2021年にランドベース・カジノ部門のプレジデントに就任する以前は、同社のCEOを務めていた経歴を持つ。また、2023年には暫定CFOとしての役割も果たした。

Bally'sのCEOであるロブソン・リーブス氏は声明の中で、ミルチェバ氏の貢献に謝意を表明した。その上で、パパニア氏が社内事情に精通していることは、財務報告や内部統制、資本市場関連の活動において継続性を確保する助けとなるとの見方を示した。

ミルチェバ氏は、2025年2月にQueen Casino & Entertainmentとの合併を経てBally'sに入社している。同氏は2023年からQueen CasinoでCFOを務めていた経緯がある。なお、この取引以前から、現在Bally'sの公開株式の約3分の2を保有する投資会社Standard Generalは、Queen Casinoの株式を保有している。

VGTを巡る紛争と流動性問題に揺れるシカゴ・プロジェクト

ミルチェバ氏の退任は、Bally'sがシカゴでの開発計画に関連する複数の課題に対処している最中に発生した。リバー・ウェスト地区では、旧トリビューン印刷工場跡地に17億ドル(約2,652億1,000万円)規模のカジノリゾート開発が進んでいる。このプロジェクトには、カジノ施設、34階建てのホテル、イベント・コンベンション施設、レストラン、2エーカーの公園が含まれる見通しだ。

シカゴ市議会は8月に市内全域でのビデオ・ギャンブル・ターミナル(VGT)の設置を承認したが、8月時点では建設活動が停滞している。Bally'sは、VGTの拡大がカジノの収益性を損ない、シカゴ市との合意条件に抵触する可能性があると主張してきた。

同社はその後、ゼネコン・パートナーシップに対して通知を行い、広範な開発計画の一部を停止した。これに対し市当局は、ホストコミュニティ協定に基づきプロジェクトを完遂する義務が同社にあると指摘し、工事の再開を強く求めた。

建設を巡る紛争に加え、支払いに関する別のトラブルも浮上している。プロジェクトの元請負業者であるMGM Excavatingは、クック郡に対して380万ドル(約5億9,282万円)の留置権を設定している。同社は、実施した業務に対する報酬が支払われていないと主張した。

Bally'sは8月、十分な流動性を維持できるか不透明な状況にあると公表している。融資契約の要件を遵守するためには、今後数ヶ月以内に新たな資金調達が必要となる公算が大きい。

Bally'sの代表者は9月9日にシカゴ市議会と面談し、同社の財務状況やVGTを巡る紛争、ホスト協定上の義務について協議する予定である。この公聴会にミルチェバ氏が出席する予定はなく、同社の企業開発および法務部門の幹部が出席する見込みだ。