ブラジルの不動産・ホスピタリティ大手 JHSF は、ウルグアイのリゾート施設「Enjoy プンタ・デル・エステ」を1億6,000万ドル(約240億円)で取得することに合意した。ウルグアイを代表するカジノ・ホテル複合施設の一つを完全に掌握する形となる。

取引はウルグアイ事業向けの子会社 JHSF Península を通じて実行され、ブラジル複合企業によるウルグアイのプレミアム観光・ゲーミング市場への大型進出を示す。

チリのカジノ事業者 Enjoy S.A. は、Enjoy プンタ・デル・エステを所有・運営するウルグアイ法人 Baluma S.A. の株式100%を売却する。取引は2026年4月10日に株式譲渡契約として正式締結されたが、ウルグアイ反トラスト当局の承認が必要だ。

買収価格の1億6,000万ドルは、Enjoy が2013年にウルグアイ市場に参入して以降、同物件に投じた約3億ドル(約450億円)を大きく下回る。

Enjoy は、負債削減とチリ国内事業への経営資源集中を狙う財務再編の一環として、海外の旗艦資産を売却する。

プンタ・デル・エステのリゾート施設は、元々「コンラッド・プンタ・デル・エステ」として開業し、大型ホテル、広範なコンベンション施設、大型カジノを併設する同グループ最大の国際物件だった。もっとも、運営費と維持費の高騰が売却を戦略的優先事項に押し上げた。

JHSF は同地を複合用途の高級デスティネーションとして再定位する計画で、既存のカジノとイベントスペースを軸に、Fasano ブランドのホテル、居住棟、新設のショッピングセンターを組み合わせる。同社は今後4〜5年で4億〜5億ドル(約600億〜750億円)の投資を見込むと発表し、ホテル、スパ、ゲーミング施設の改修を進める。現従業員1,000人超の雇用維持も確約し、複合施設のリブランドと近代化を進めながら人員を継承する。

今回の買収は、ホテルやカジノといった反復収益型資産への JHSF のシフトを一段と強めるとともに、中南米域内でのプレゼンスも拡大する。Enjoy にとっては、コストの嵩む一部の海外資産からの明確な後退であり、チリ国内のゲーミング・エンターテインメント市場への回帰を示す取引となる。